フォード F-150ライトニング。
Tim Levin/Insider
- 電気自動車フォードF-150ライトニングをテキサス州の田園地方で試乗した。
- F-150ライトニングはあらゆる点で優れたピックアップトラックだが、最大の特徴は「フランク」と呼ばれるフロントトランクだ。
- ライトニングのフランクは大きくて、荷物の出し入れもしやすく、電源コンセントやUSBポートも付いている。
フォード(Ford)の新型電動ピックアップトラック「F-150」は、ガソリンのF-150を上回る多くの新しいメリットを提供している。
F-150ライトニング(F-150 Lightning)は重量があるのにも関わらず、時速60マイル(約96.5km/h)に4秒強で達する。この車の巨大なバッテリーパックの電力は電化製品や工具類にも使え、停電時にはオーナーの家に給電できる。
フォード F-150ライトニング。
Tim Levin/Insider
また、自動バックアップ電源は非常時に助けとなるかもしれないが、日常的に使うものではない。2022年5月初めの数日間、F-150ライトニングの試乗をしたときには、良くも悪くもその実力を測ることはできなかった。
実際に試乗してみて、ライトニングの最大の特徴だと確信したのはフロントトランクだ。このフロントトランクはとても便利なものなのに、フォードはこれに「メガパワー・フランク(Mega Power Frunk)」という馬鹿げた名前をつけている。
フォード F-150ライトニング。
Ford
F-150ライトニングの基本構造は、最近の多くの電気自動車と同様、巨大な電動スケートボードのようなものだ。モーターは車軸の下に搭載され、バッテリーは胴体に収まっている。つまり、従来のエンジンで占められていたスペースを使って、楽しいことができるのだ。
フォード F-150ライトニング。
im Levin/Insider
ライトニングのボンネットを開けると、トヨタ・カローラのトランクを上回る広さの荷室が広がっている。もちろん、トラックにはそのままでも十分な収納スペースがあるものだが、ピックアップトラックは一般的に、天候に左右されない、鍵のかけられる収納がない。
その荷台は広々としているだけでなく、キャリーバッグ数個と最大400ポンド(約181kg)の荷物を運ぶことができ、出し入れも簡単だ。
フォード F-150ライトニング。
Ford
フロント・グリルを持ち上げると、だれにでも使いやすい高さの荷台が現れる。ちなみに同じく電動ピックアップトラックのリヴィアンR1T(Rivian R1T)は、ボンネットが従来の形式のため、上から荷物を入れる必要がある。小柄な人には出し入れが厳しいかもしれない。
4人で旅行する場合、荷台に自転車やキャンプ用品をたくさん積むことを想像してほしい。もしバッグや小物入れを入れるトランクがもうひとつあれば、もっとうれしいと感じるだろう。あるいは、荷台に物を置いておきたいが、露出したままにはしたくない人もいるだろう。
フォード F-150ライトニング。
Tim Levin/Insider
フランクには他にもクールで特別なことが用意されている。
床下には排水用の穴のある収納があって、氷を入れたり、ホースで水洗いすることもできるのだ。取り外し可能なパネルは、仕切りの役目を果たして食料品が動くのを防いでくれる。荷物を固定できる便利なフックも多数ある。
フォード F-150ライトニング。
Tim Levin/Insider
前述した「メガパワー・フランク」は、USBポートや電源コンセントをフランクの壁に内蔵することで実現した。外出先でデバイスや電動工具を充電するなど、フランクの使い方の可能性を広げている。
F-150 ライトニングのゼロエミッションや気持ちのいい加速もいいが、フランクは購入をためらう人たちの背中を押す要素になると私は考えている。
フランクがどれだけ役に立つのかはすぐに理解できるが、未来のライトニングのオーナーは、きっとだれも予想しなかった画期的な用途を数多く思いつくことだろう。
[原文:Why the electric Ford F-150 Lightning's best feature is its amazing front trunk]
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)