iPhone 13発売後にメルカリで需要拡大したものは? 消費動向の“今”が分かる「物価・数量指数」が公開

メルカリ登壇者

メルカリは「メルカリ物価・数量指数」の提供を開始した。

出典:メルカリ

メルカリは5月16日、個人売買の取引データをもとにした物価・数量指数「メルカリ物価・数量指数」を発表した。今後月ごとに情報をニュースレターとして配信していく。

メルカリ執行役員 VP of Public Policyの吉川徳明氏によると、リユース市場の規模は2020年時点で2兆4169億円まで拡大。

また、メルカリが実施したユーザー調査でも物価上昇対策としての利用意向や、新品購入時にリセールバリューを考えるといった消費行動の変化から、個人間取引市場の広がりが見て取れるという。

GMV

メルカリのGMV(Gross Merchandise Value:流通取引総額)は、2022年の1-3月期で2326億円まで到達している。

出典:メルカリ

「今後の消費活動において二次流通市場のプレゼンスが大きくなるのは、一時的なトレンドではなく不可逆な動き。

そのときに二次流通市場の実態をどう把握するか。一次流通市場はデータが豊富で、活発な分析・研究活動が行われているが、二次流通市場は住宅や自動車など一部に限られ、消費の全体像を示すようなデータが不足している。そこへメルカリとしてデータを出していくことで、一次流通市場のデータなどと合わせて、市場をより良くするための分析、研究の活性化に貢献したい」(吉川氏)

二次流通市場は出品者、購入者の需給を的確に反映

データ作成に携わった、UTEcon取締役で東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授の渡辺安虎氏の解説によると、「メルカリ物価・数量指数」ではメルカリの商品カテゴリーごとに月次の価格指数・数量指数を作成。現時点でのデータでは2018年1月を基準とし、基準時点と比較した現在の各カテゴリーの商品数やその価格の変動度合いを示している。

メルカリのカテゴリーには「レディース→靴→モカシン」のように大、中、小のカテゴリーがあるが、小カテゴリーの取引価格・取引数量をもとに中、大カテゴリーの指数を構築。

また、季節によって変動の大きいカテゴリーでは、季節性を加味して調整したデータと、未調整のデータの両方が見られるという。

小カテゴリー

小カテゴリーでは上下2.5%の外れ値を除き平均価格と平均数量を算出。中、大カテゴリーでは、小カテゴリーの売り上げ構成比を用いたトルンクビスト指数(基準時と現在の売り上げ構成比の平均を用いて、加重平均した指数)を算出している。

出典:メルカリ

指数の特徴

一次流通市場の物価指数は動向がデータに表れるまでに時間がかかるが、二次流通市場にはより早く反映される。

出典:メルカリ

「一次流通市場では頻繁に価格を上げたり下げたりできないが、二次流通市場は出品者、購入者の需給を的確に反映して、より敏感に物価動向を確認することができるのが大きな特徴」と渡辺氏。

データからは「各商品カテゴリーごとに需給バランスの観測と物価の変動を見ることができ、市場の状況を多角的に考察が可能」という。

利用例

例えば、中カテゴリーの「スポーツ・フィッシング」のデータからは、ブームを受けてゆるやかに伸びていた数量指数がコロナを境に急増しており、それにあわせて価格指数もじわじわ上昇していることが見て取れる。

出典:メルカリ

統計データからは需給バランスの観測のほか、各小カテゴリーごとに消費トレンドやその変化を可視化することが可能。

メルカリで該当カテゴリーを調べれば、さらに具体的にどんな商品が取引されているかも見られるため、トレンドを把握したいメディアや商品戦略を立案する担当者、マーケティング研究者による活用も期待される。

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