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- ねこには、やってはいけないことがある。
- 世間一般に信じられている説に反して、糸や牛乳をねこに与えてはいけない。
- 大きな音を使ってねこを叱っても、ねこはあなたを怖がるようになるだけかもしれない。
ねこを飼っている人なら、ねこにはそれぞれ個性があると知っているだろう。ただ、ねこを飼うなら知っておくべき"一定のガイドライン"というものも存在する。
Insiderではねこの飼い主がやりがちな間違いについて獣医師や専門家に話を聞いた。
愛猫のためにならないことをやっていないか、チェックしておこう。
ねこにしつこく迫ってはダメ
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獣医師のウェンディ・ハウザー(Wendy Hauser)氏は、ねこにその気がない時にしつこく遊ぼうと迫ったり、抱っこしようとしてはいけないとInsiderに語った。
「飼い主はねこにしつこく迫ってはいけません。ねこも人間に注目されるのは好きですが、犬ほどではありませんし、そういう気分の時もあれば、そうでない時もあります。飼い主は愛猫の基本的欲求を尊重し、本人の意思に反して抱っこをするなど、無理に迫ってはいけません」
ねこにとって安全かどうか確認する前に、家に植物を持ち込まない
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「ねこにとって有害でないことを確認する前に、自宅に植物や花を持ち込むべきではありません。例えば、花屋でよく見かけるユリはねこにとって非常に有害で、どこか一部でも食べてしまうと腎機能障害を起こしたり、死んでしまうこともあります」と獣医師で作家のルース・マクピート(Ruth MacPete)氏はInsiderに語った。
ユリはねこにとってものすごく有害なので、ユリが入っている花瓶の水を少し飲んだだけでも、腎障害を引き起こしかねない。
ねこにとって有害な植物について、詳しくはAnimal Poison Control Centerのサイトなどをチェックしてほしい。
糸やひもで遊ばせてはいけない
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PurringPal の動物栄養士で、元動物看護士のジェイミー・アルシング(Jaimee Alsing)氏は、ねこのおもちゃとして、糸は安全ではないとInsiderに語った。
「糸やひもを飲み込んでしまうと、線状異物による腸閉塞などを引き起こすことがあります。腸内に糸が停滞したり、絡まったりするんです。腸の一部が壊死してしまうと、手術で取り除かなければならなくなります」とアルシング氏は話している。
愛猫に楽しんでもらうには、ねこの安全が保証されているおもちゃを選ぶ方がいい。手元にあるおもちゃがねこにとって安全かどうか分からない場合は、獣医師に相談しよう。
ねこに「手遊び」を教えてはダメ
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レーザーポインターであれ、照明器具のひもであれ、ねこは目の前で動くものと戦うのが大好きだ。
ただ、ねこを誘惑するのに、飼い主は自分の手を使うべきではない。
「飼い主はねこと『手遊び』をすべきではありません。ねこには生まれつき、獲物を追いかけ、つかまえようとする習性があるからです。人間がねこに"手は追いかけていいものだ"と教えてしまうと、残念な結果につながることが多く、人間とねこの両方にとって危険です」とハウザー氏は話している。
ねこと遊ぶもっといい方法は、モノ(一般的にはおもちゃ)を使うことだ。
お尻を叩いたり、大きな音を使ったり… ねこに直接、罰を与えてはダメ
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長年犬を飼っていて、初めてねこを家族に迎え入れるという人は、ねこの行動が犬ほど単純でないことに衝撃を受けるかもしれない。
ハウザー氏は、ねこを直接的に叱ると望ましくない結果をもたらす可能性があるとInsiderに話した。
「言葉を使うにせよ、物理的にせよ、ねこに直接、罰を与えるべきではありません。飼い主によっては、手を叩いたり、足を踏み鳴らしたり、コインの入った缶を鳴らして、犬に"それは好ましい行動ではない"と教える人もいるかもしれませんが、ねこにこの方法は逆効果です」とハウザー氏は語った。
「ねこは大きな音や怒鳴り声にものすごく敏感で、怖いと感じます。こうした音を立てる人をねこは脅威と見なし、避けるようになります」
あなたが好ましくないと感じる行動をねこが見せたとしても、それはねこにとっては健全な行動で、人間側が適切な対策を取るべきケースもある。
例えば、ねこがキッチンのカウンターや食卓に頻繁に飛び乗るようなら、キャットタワーなどを用意してあげることで、ねこは自分の身の周りで何が起きているのか見渡すことができる。
家具で爪とぎをするのが好きなねこも、専用の爪とぎやぬいぐるみを用意してあげれば、破壊活動を止めるかもしれない。
ドライフードだけを与えない
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ねこは乾燥した環境での生活に適応しているので、適切な食事を与えていれば、食べ物から必要な水分を全て取ることができると、アルシング氏はInsiderに語った。
そして、ねこはのどが渇いていても水を飲みたいと強く感じることはないため、食事を通じて十分な水分補給をさせることが非常に重要だ。
「たくさん水を飲んでいるように見えるねこですら、十分飲んでいるとは言えません。慢性的な脱水は虫歯や膀胱結石、尿路感染症につながります。ねこの毎日の食事にウェットフードを追加することで、多くの健康問題は予防することができます」とアルシング氏は話している。
缶詰めのフードは高カロリーなため、時々でも与えるとねこの肥満につながるという誤解もある。しかし、ウェットフードは食事に含まれている水の量が多いため、実は同量のドライフードに比べて低カロリーだとアルシング氏は説明している。
ねこが「いつでも食べられる」状態にしない
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Roverの獣医師ゲイリー・リヒター(Gary Richter)氏は、欲求のままにねこがいつでもフードを食べられる状態にしておくと、肥満につながるとInsiderに語った。
「体重の問題を回避するためには、獣医師が指示したドライフードとウェットフードの適正量のみを与えるようにしましょう」とリヒター氏は言う。
スケジュール的にねこの食事の時間に自宅にいることができない場合は、決められたタイミングで決められた量のドライフードを出してくれる自動給餌器の購入を検討するのもいいだろう。
ミルクをあげ過ぎない
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大半のねこは実は乳糖(ラクトース) 不耐症なので、牛乳を与えると大きな健康問題につながる可能性があると、リヒター氏はInsiderに語った。
「牛乳はねこの栄養に必要不可欠なものではありませんし、人間は美味しいおやつをあげているつもりでも、多くのねこは腹痛などに苦しむことになります」とリヒター氏は話している。
ねこに与えるのは水だけにするか、ペット専用の低カロリーのミルクを少量、特別な時にあげるかにしよう。
動物の骨は与えない
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アニメやマンガではしばしば描かれているものの、家で飼われているねこに魚やその他の動物の骨は必要ない。
「骨はねこにとっても、犬にとっても危険です。特に鶏の骨は裂けてねこののどや胃、腸にひっかかってしまうので、非常に危険です」とマクピート氏は話している。
ねこに魚や肉を与える場合は、骨が混ざっていないことを確認しよう。ペットが骨を食べてしまったかもしれないと思ったら、すぐに獣医師に相談しよう。
獣医師が指示しない限り、ねこの毛を剃ってはダメ
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ライオンのようなヘアカットをしたねこはかわいらしく見えるかもしれないが、ねこの毛を剃るのは健康的とは言えないとリヒター氏は話している。
「ねこの毛は冬は暖かく、夏は涼しくいるための体温調整に役立っているので、毛を剃る理由はないのです。むしろ剃ることで、体温調整がしづらくなります」とリヒター氏はInsiderに語った。
健康上の理由で獣医師がねこの毛の一部または全部を剃るよう指示することもあるが、見た目の美しさ、かわいらしさのためだけのヘアカットは望ましくない。
人間用や犬用の薬をねこに与えない
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人間にとって安全、犬にとって安全だからと言ってねこに同じ薬を与えると、効果があるというよりむしろ害になる。
「かかりつけの獣医師に確認することなく、ねこに薬を与えてはいけません。人間にとっては安全、犬にとっては安全でも、ねこにとっては命に関わるような薬もあります。これは処方薬だけに限ったことではありません。店頭で買える市販薬も同じです」とマクピート氏は話している。
例えば、人間の痛み止めなどによく使われているアセトアミノフェンは、ねこにとっては非常に危険だ。
24時間以上、ねこをひとりにしてはダメ
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ねこは基本的に自分で自分の面倒が見られるというイメージから、犬よりもねこを家族に迎えようという人は多い。ただ、一般的に犬よりも自立しているとはいえ、自分のことは全て自分でできる、孤独を好むタイプではない。
「十分なフードと水を置いておけば、数日放っておいてもねこは大丈夫だと考えている人もいます。でも、実際は、少なくとも24時間ごとにねこの状態を誰かが確認すべきです」とリヒター氏は話している。
しばらく家を空ける際、友人や家族に様子を見に来てもらえない場合は、ペットシッターをお願いするといった方法も検討しよう。
ねこの行動の変化を見逃さない
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ねこの健康状態を、その見た目や行動の変化から読み取れるかどうかは飼い主次第であることが多い。
「飼い主が気付きにくい、2つのねこの病気… 歯の病気と関節炎はどちらもものすごい痛みを伴います。こうした病気にかかっていたり、その他の痛みを感じていると、ねこは行動を変化させます。食べなくなったり、人前に出て来なくなったり、家族と触れ合わなくなったり、攻撃的になることもあります」とハウザー氏は話している。
ねこの行動が大きく変わったことに気付いたら、健康上の理由が何かあるのか、獣医師に相談しよう。
[原文:Experts reveal 13 things you should never do to your cat]
(翻訳、編集:山口佳美)