旧ソ連時代の「モスクヴィッチ」。
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- ロシアは旧ソ連時代の「モスクヴィッチ(Moskvich)」という自動車ブランドを閉鎖されたルノーの工場で復活させるという。
- ロシアから撤退したルノーが残していった工場をロシアが引き継いだ。
- ルノーはウクライナ侵攻を受け、ロシアから撤退した企業の1つだ
ウクライナ侵攻を受け、西側諸国の企業によるロシアからの撤退が続いている。
フランスの自動車大手ルノーも例外ではなく、5月16日にはロシア事業を全て、モスクワ市と産業商務省所管の自動車・エンジン中央科学研究所(NAMI)に売却する契約の締結を承認した。ロシアはルノーのモスクワ工場を使って、旧ソ連時代の「モスクヴィッチ」というブランドを復活させる計画だと、モスクワのセルゲイ・ソビャーニン市長はブログポストで述べた。
旧ソ連時代の「モスクヴィッチ」。
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ソビャーニン市長は、この工場には「長く輝かしい歴史」があり、ロシアはカマーズ(Kamaz) —— 大型車やエンジンを製造するロシア企業 —— の支援を受け、この「伝説的な」ブランドを生き返らせるつもりだとしている。モスクヴィッチは、まずは既存の内燃機関を使った自動車を販売し、その後、電気自動車を販売する予定だと、ソビャーニン市長は明かした。
モスクヴィッチは「モスクワっ子」という意味だ。
旧ソ連時代の「モスクヴィッチ」。
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報道によると、ルノーはロシア事業をわずかな金額 —— もっと正確に言えばルーブル —— で売却した。ルノーが受け取ったのは2ルーブル(約4円)だったと、フィナンシャル・タイムズやロイターは報じている。ルノーの損失は約22億ユーロ(約3000億円)にのぼるという。
自動車や自動車部品を含め、ロシアは国際貿易からの孤立を深めている。ソビャーニン市長は、自動車部品の製造の現地化についてはロシア政府と協力して進めていくつもりだとしている。新たなモスクヴィッチには中国のプラットフォームが使用される見込みだと、ロイターは伝えている。
[原文:Automakers fled Russia, so the country is reviving a 'legendary' Soviet-era car brand]
(翻訳、編集:山口佳美)