大破したロシア軍のMi-8を調べるウクライナ兵(2022年4月9日、キーウ州マカリウ近郊)。
Maxym Marusenko/NurPhoto via Getty Images
- ロシアはウクライナ侵攻を北大西洋条約機構(NATO)とのより大きな戦争に向けた「リハーサル」だと考えていると、ロシアの政治学者アレクセイ・フェネンコ(Alexei Fenenko)氏は指摘した。
- 「我々の武器がいかに強いかを戦場で見る」ことが目的だとフェネンコ氏は話している。
- 「将来の戦いに向けた学習経験になるかもしれない」とも同氏は話している。
ロシアの政治学者によると、ロシアによるウクライナ侵攻はNATOを構成する国々とのより大きな戦争に向けた「リハーサル」だという。
これは国際安全保障研究所の研究員アレクセイ・フェネンコ氏が5月19日にロシア国営テレビのトーク番組『60ミニッツ』で語ったものだと、『デイリー・ビースト(Daily Beast)』のジュリア・デービス(Julia Davis)記者は紹介している。
「我々にとって、ウクライナでの戦争は…… 将来起こり得る、より大きな戦いに向けたリハーサルだ」とフェネンコ氏は語った。
「だからこそ、我々は試し、NATOの武器に立ち向かい、(NATOの武器に比べて)我々の武器がいかに強いかを戦場で見ようとしている」
「将来の戦いに向けた学習経験になるかもしれない」
ウクライナに侵攻を開始して以来、ロシアはハイテク兵器の開発を自慢してきた。5月中旬にはロシアの政府高官が、ロシア軍がウクライナに何マイルも離れた場所のドローンを数秒で撃墜できるレーザー兵器システムを配備したと主張していた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は4月、この戦争は「ゆくゆくは全ての人に打撃を与える」だろうと語った。
「ロシアの侵略はウクライナのみに限られたものではない」とゼレンスキー大統領は話した。
「我々の自由や生活を破壊するためだけでもない。ヨーロッパ全域がロシアの標的なのだ」
また、Insiderでも報じたように、ロシアがサイバー攻撃を利用するのではないかとの懸念もある。
米中央情報局(CIA)のロシア担当の元分析官マイケル・E・バン・ランディンガム(Michael E. van Landingham)氏は「アメリカやヨーロッパのコンピューターを使用不能にしたり、ウクライナの重要インフラを破壊するサイバー・アルマゲドンに対する認識はある。ただ、プーチンはウクライナで限定的な戦争を戦いたいと考えているので、恐らくそれは起こらないだろう」と指摘している。
(翻訳、編集:山口佳美)