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- アメリカ南部オクラホマ州では、ミッキー・ドレンズ(Mickey Dollens)州下院議員が思春期を迎えた男子に対する精管切除の義務化を提案した。
- 5月19日に議会で発言したドレンズ議員は共和党の議員らに対し、自身の提案を検討するよう求めた。
- この意見は、オクラホマ州議会が受精以降の人工妊娠中絶を禁止する法案について話し合う中で述べられたものだ。
アメリカでは、オクラホマ州の下院議員が若年層の男性に対する精管切除の義務化を提案した。
5月19日に議会で発言した民主党のミッキー・ドレンズ議員は、この法案を2023年に提出しようと考えていると語った。
「わたしが2023年に検討している、思春期を迎えた男性全員に精管切除を義務付ける —— 経済的、精神的に安定した場合にのみ元へ戻せる —— 法案の共著者を募りたいと思います」とドレンズ議員は共和党の議員らに呼び掛けた。
「これをどうかしていると思うなら、オクラホマの半数の人々がどう感じているかも理解できるはずです」とドレンズ議員は続けた。
ドレンズ議員の意見は、オクラホマ州議会が「受精」した瞬間から事実上、人工妊娠中絶を禁止する法案「HB 4327」について議論する中で述べられたものだ。州議会は同日、この法案を賛成多数で可決し、スティット知事もこれに署名する見込みだ。
施行されれば、オクラホマ州の中絶禁止法はアメリカ国内でも最も厳格な規制の1つとなる。
オクラホマ州の法案は、アメリカで人工妊娠中絶の権利を認めた1973年の歴史的な判例「ロー対ウェイド判決」を覆すことを連邦最高裁判所が検討する中で出てきたものだ。『ポリティコ(Politico)』は5月上旬、判事の多数派意見をまとめた草案から連邦最高裁判所がロー対ウェイド判決を覆す構えだと伝えた。この草案の中で保守派のサミュエル・アリート(Samuel Alito)判事は、ロー対ウェイド判決について「最初からひどく間違っていた」と記していたという。
連邦最高裁判所が最終的な判決を下す —— 早ければ6月 —— までは、アメリカでは中絶は引き続き合法だ。ただ、リークされた文書は人工妊娠中絶に携わる生殖権の活動家や医師らを厳戒態勢に置くには十分だった。
[原文:An Oklahoma state rep proposed legislation that would mandate young men get mandatory vasectomies]
(翻訳、編集:山口佳美)