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ヘルスケアビジネスの「勝ち方」がここにある──『未来を創るヘルスケアイノベーション戦略』
今、ヘルスケア市場が急拡大している。
コロナ禍を機に医療・ヘルスケア領域のDXが進み、これまで同領域を主戦場としてこなかった企業の新規参入やデジタルヘルス関連のスタートアップ増加も目立つ。
世界的に注目を集め、拡大が見込まれている市場だが、ヘルスケアビジネスはその“特有さ”から他業界での常識や勝ちパターンが通用しづらい領域でもある。
2022年5月に発売された『未来を創るヘルスケアイノベーション戦略』(モニター デロイト ヘルスケアストラテジー著)では、ヘルスケアビジネスによる社会課題の解決と事業成功を両立させる秘訣が余すところなく紹介されている。
世界中から注目が高まるヘルスケアビジネス
経済産業省によると、ヘルスケア市場の規模は2025年には33兆円になると推計されている。(※)
※経済産業省 商務・サービスグループ ヘルスケア産業課 第1回新事業創出WG 事務局説明資料『今後の政策の方向性について』より
ビジネスという観点からの産業の伸び代に加えて、社会課題の側面から見てもヘルスケア事業の重要性は明らかだ。SDGsでは17の目標の1つとして「すべての人に健康と福祉を」が掲げられている。
成長市場だけに、各産業界からのまなざしも熱い。デロイト トーマツ コンサルティングが2020年に実施したサーベイによると、国内においてヘルスケア産業を除く従業員3000人以上の企業に勤める管理職のうち、約3割が「自社がヘルスケア事業に何らか関わっている(または関わろうとしている、関わっていた)」と回答しているという。
各業界からの参入が進む一方で、成功が難しいビジネスであることも確かだ。規制などに関する専門知識が必要なうえ、世界中で日進月歩のイノベーションが生まれ、他業界の常識や勝ちパターンがなかなか通用しないからだ。
前述のサーベイによると、半数以上が「異業種からのヘルスケア参入は難しい」と回答。「新規参入したものの想定通りに事業が伸びない」「明確な競争力を確立できないまま厳しい戦いを強いられる」など、社会課題の解決やビジネス創出といった当初の狙いにたどり着けない事例が後を絶たない現状がある。
成功のための「5つのステップ」とは?
このような現実を理解し、ヘルスケア産業に対峙してきたのが、健康・ヘルスケア領域の専門家集団 モニター デロイトのヘルスケア ストラテジーチームだ。
従来のヘルスケア領域のプレーヤーに対する新規ビジネスの推進に加えて、異業種からの新規参入を目指す企業(大手からスタートアップまで)を支援。これまでに100件以上の企業や国際機関、政府などと幅広い議論を交わしてきた。
そのような実地での経験や学び、成功事例の共通点など体系化し、ヘルスケアビジネスにおける勝ち方のポイントをまとめた一冊が、『未来を創るヘルスケアイノベーション戦略』だ。
本書では、ヘルスケアビジネスを進める上で重要となる5つのステップを第1~5章でまとめている。
…国内外のヘルスケアビジネスやサービス従事者の考えや環境の変化、実際の疾患に関連する取り組みを掲示する
第2章:STEP2 ヘルスケアビジネスを進める際の「落とし穴」を把握する
…典型的な“3つの落とし穴”とその特徴を理解する
第3章:STEP3 価値創造する意義と領域を決める
…対象とすべき健康課題の選び方、事業展開する領域に対するコミットメントの重要性を理解する
第4章:STEP4 健康課題解決と事業価値創造を推進する戦い方を検討する
…ヘルスケア戦略や事業開発にあたって、独自の戦略的検討フレームワーク(MERITS)に基づく方法論を紹介
第5章:STEP5 持続的な推進を可能にする組織・仕組みをつくる
…戦略を遂行するための組織と意思決定のあり方を示す
今後、国内外でヘルスビジネスを強化していきたい経営層や事業開発者であれば必読の内容だ。
超高齢社会の日本。ヘルスケアビジネスのイノベーションがカギを握る
今後、ヘルスケアビジネスは加速度的に多様な変化を遂げていくと考えられる。特に、世界に先駆けて超高齢社会を歩む日本は、いわば「ヘルスケア課題先進国」でもあり、イノベーションによって世界を変えていける可能性も大きい。
そのためには「なんちゃって」ではなく、本気でヘルスケアビジネスを通じた社会課題の解決や事業の成長を目指し「何をすべきか」「どういったやり方の工夫をすべきか」ということについて、包括的・体系的に理解することが重要だ。
ヘルスケア領域で成長を目指すすべての企業にとって、持続的なビジネスの構築、そして国際的な競争優位の確立に役立つはずだ。
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