スペースXのイーロン・マスクCEO(左)とグウェイン・ショットウェルCOO。
Angela Weiss, Amanda Edwards via Getty Images
- スペースXの社長兼最高執行責任者を務めるグウェイン・ショットウェルは、セクハラを告発されたイーロン・マスクを擁護した。
- 彼女は、Insiderが最初に報じたマスクの疑惑を信じないと述べた。
- CNBCが入手した全社宛ての電子メールの中で、ショットウェルCOOは法的な問題について 「決して」 コメントしないと述べている。
スペースX(SpaceX)の社長兼最高執行責任者(COO)のグウェイン・ショットウェル(Gwynne Shotwell)は、スペースXのビジネスジェットの客室乗務員がイーロン・マスクCEOからセクシャルハラスメントを受けたと会社に報告した後、同社が2018年に25万ドル(約3200万円)を支払ったとInsiderが報道したことを受けて、従業員宛のメールで創業者のマスクを擁護した。
「はっきりさせておくが、スペースXはいかなる種類のハラスメントも容認しない。ゼロ・トレランス(まったく許容しない)だ。我々は、スペースXの誰もが敬意を持って扱われるに値すると固く信じている。そして、ハラスメントの告発は、誰が関与しているかに関わらず、すべて真剣に受け止められる。人事部は、注意を喚起されたすべての申し立てを徹底的に調査し、適切な懲戒処分を行う」とショットウェルCOOは、Insiderが入手した従業員宛の2022年5月20日の電子メールに書いている。
「個人的には、この主張は虚偽であると思っている。私がイーロンのために働いているからではなく、20年間彼とともに働いてきて、これらの疑惑に似たものを見たことも聞いたこともないからだ」と述べ、「私のようにイーロンをよく知っている人なら、彼がこのような不適切とされる行為を決して実行したり容認したりしないことを知っている」と続けた。
マスクはInsiderにセクハラ疑惑を否定し、「この記事にはほかにも多くのことがある」と述べ、「政治的な動機に基づくヒット記事」 だとした。「もし私がセクハラを頻繁に行っていたら、それが明るみに出たのは、私の30年のキャリアの中でこれが初めてではなかっただろう」と彼は述べている。
マスクもスペースXの法務部も、同社が客室乗務員に25万ドルの退職金を渡したことを否定していない。ショットウェルCOOは従業員へのメールで「雇用問題に関わる法的な事柄には一切コメントしない」とも述べている。
スペースXに、ショットウェルのメールに関するコメントを求めたが回答は得られていない。
告発した客室乗務員の友人がInsiderに語ったところによると、マスクは2016年後半のフライト中に、「全身マッサージ 」のために自分の部屋に来るよう彼女に言ったという。部屋に行った彼女はマスクが下半身を覆うシーツ以外は全裸であることに気がついた。客室乗務員の主張を裏付けるために彼女の友人が署名し、Insiderと共有した告発状によると、マスクは「性器を露出」した後、彼女に触れて「もっとやってくれたら、馬を買ってやると言った」という。
告発状によると、客室乗務員はそれを断り、マッサージを続けたという。客室乗務員は友人に、マスクの誘いを断った後、仕事の機会が減り始めたと話した。2018年、この客室乗務員は弁護士を雇い、スペースXの人事部に事件について説明する訴状を送った。
Insiderが先に報じた記事によると、同社は、マスクCEOも出席した会議の後すぐに、告訴しないという約束と引き換えに25万ドルの支払いに同意したという。
複数のスペースXの女性社員も、過去に同社のセクハラ体質について不満を漏らしていた。2021年12月には、スペースXの元エンジニア、アシュリー・コサック(Ashley Kosak)さんが「複数の異なるセクハラ事件を人事部に告発しなければならなかった」と書いているが、この事例にマスクCEOがまったく関与していなかったのか、気づいていたのかは分かっていない。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)