Bombardier
- ボンバルディアは、音速に近いスピードで飛行する最新のプライベートジェット機「グローバル8000」を発表した。
- この航空機は、業界最速かつ最長航続距離のビジネス専用機となる。
- 機内にはミーティングルーム、ダイニングルーム、シネマルーム、ベッドルームを含む4つの居住スペースがある。
ビジネスジェット機を製造する世界的リーダー、ボンバルディア(Bombardier)が、最新のフラッグシップ機「グローバル8000(Global 8000)」を発表した
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この航空機は世界最大・最長距離を誇る同社「グローバル7500(Global 7500)」を超える最速かつ最長距離のプライベートジェットになるという
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グローバル8000は、高効率のゼネラル・エレクトリック(General Electric)のパスポートエンジンを搭載し、マッハ0.94(約1151km/h)という音速に近いスピードで、航続距離8000海里(約1万4826km)を飛行できる
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この驚くべき航続距離は、ロサンゼルスとシンガポール、ロンドンとパースといった都市間移動を可能にする
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ボンバルディアによると、同社は「グローバル7500」のデモ機で高速性能のテストを行っているという
ボンバルディア「グローバル7500」のデモ機。
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NASAのF/A-18に伴われ、グローバル7500は超音速のマッハ1.015(約1243km/h)に繰り返し到達した。最高速度マッハ0.94(約1151km/h)の実現に向けた重要なステップだ
NASAの随伴機とともに飛行するボンバルディア「グローバル7500」。
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コックピットには、ボンバルディアの「ヴィジョン(Vision)」フライトデッキを採用し、安全性を最大限に高める「次世代フライバイワイヤ技術」を搭載している
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同機の「スムース・フレックス・ウィング(Smooth Flex Wing)」は飛行のスムーズさを向上し、「あらゆる速度での制御と敏捷性」を可能にする
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この主翼とエンジンの組み合わせにより、グローバル8000は、「短い滑走路からでも、そしてあらゆる気象条件でも最長航続距離」の飛行を可能にした
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ボンバルディアによると、「グローバル8000」は機内も改良されており、「業界で最も健康に配慮した客室」だという
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同機は、高度4万1000フィート(約1万2500m)飛行時の客室高度は2900フィート(約884m)で、これは同クラスで最も低い値だ。また、ボンバルディアの空気清浄および循環システム「Pũr Air」と、先進のHEPAフィルターによって「最もクリーン」な客室を実現している
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ボンバルディアによると、客室の機能を改良したのは、「乗客の快適性、健康、生産性を最大限に高める」が目的だという
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世界初の飛行性能に加えて、グローバル8000のインテリアは、同社独自の無重力シート「ヌアージュ(Nuage)」やベッド、キッチンなど印象的なものを備えている
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この飛行機の典型的な構成は、クラブ・スイート、カンファレンス・スイート、エンターテインメント・スイート、シャワー付きのベッドルームとなっている
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クラブ・スイートには、2組のヌアージュのシートの間に収納できるテーブルがある。特別にデザインされたラウンジチェアーはリクライニング機能と可動式のヘッドレストを備えている
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カンファレンス・スイートは、会議室として、また6人までのダイニングルームとして利用できる
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エンターテイメント・スイートには、3人掛けソファ、大型4Kテレビ、収納スペース、ボンバルディアの「ロぺラ( l'Opéra)」と呼ばれるオーディオシステムが設置されている
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フルサイズのベッド、大型クローゼット、32インチテレビ、収納テーブル、ラウンジチェアを備えたベッドルームはおそらく機内で最も印象的な部屋だろう
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ベッドルームにあるバスルームには、ワードローブ、洗面台、スタンディングシャワーがあり、機体後部にある荷物置き場にもアクセスできる
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各居住空間には、ボンバルディアのタッチ・ダイヤルとスイートコントローラーが設置されており、音響、照明、温度などを快適にコントロールできる。ボンバルディアによると、これらの技術は「グローバル7500」と「グローバル8000」のために特別に設計されたものだという
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Kaバンド衛星通信による、高速で信頼性の高いWi-Fiネットワークも完備している
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時差ぼけを軽減する照明システム「ソレイユ(Soleil)」も搭載されている
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電子レンジ、シンク、冷蔵庫を備えたキッチンも備えている
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2つ目の化粧室、加えてヌアージュ・ラウンジチェアや収納、電源ポートを備えた乗務員の休憩室もあり、最大19名の乗客を乗せることができる
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同社によると、「グローバル8000」で強化された機能は現行の「グローバル7500」にも後付けできるという
ボンバルディア「グローバル7500」のデモ機。
Thomas Pallini/Insider
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ボンバルディアの「グローバル8000」は、2025年に納入開始が予定されている。同機が市場に投入されれば、超音速旅客機を象徴するコンコルド(Concorde)以来の業界最速の民間航空機になるだろう
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しかしながら、それは同機だけではないかもしれない。コロラド州のスタートアップ、ブーム・テクノロジー(Boom Technology)は、2025年までに超音速旅客機「オーバーチュア(Overture)」をお目見えさせ、2026年に初フライトさせたいとしている
ブームのオーバーチュア。
Boom
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ブームの「オーバーチュア」の速度は、マッハ1.7(時速約2082キロメートル)で、機内は88席のビジネスクラスで構成されている
ブームのエンジンテストの模様。
Boom Supersonic
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ユナイテッド航空(United Airlines)は2021年、ブームにオーバーチュア15機を発注した。同航空は、2029年までにこのジェット機の就航を実現させ、ロンドンや東京への飛行を数時間短縮したいとしている
ユナイテッド航空仕様のブーム「オーバーチュア」の完成予想図。
Boom Supersonic
Source: Insider
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)