毎月ではなく、毎週投資をすると、複利による恩恵がさらに大きくなる。
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過去7年間、私は自営業者として、さまざまなプロジェクトや事業で生計を立て、運用などで不労所得を得てきた。そのため会社員とは異なり、私の年収は毎年変わる。
だが、たとえ収入が変動したとしても、自分のマネープランを着実に実行しようと努めている。毎月予算を立て、緊急時用と退職後用の資金に一定の金額を拠出しているのだ。
ある月の収入がいつもより多ければ、その一部を別の資金目標に振り分けるようにしている。
私が絶対叶えたい目標は、億万長者になって退職することだ。だが、この目標は収入が不安定な人でも達成できることなのだろうか。そこで私はマネーの専門家に、年収8桁(1000万円)に満たない人が、どうしたらリタイア時に億万長者になれるかを尋ねてみた。
1. 生活スタイルのインフレを避ける
「いまの所得がいくらであろうともリタイア時に億万長者となるには、いくら稼ぐかではなくて、いくら貯めるかがすべて」と、ファイナンシャルプランナーのローレン・アナスタシオは語る。
だからこそ、収入が増え始めたときにお金の使い方がどう変わるかを、キャリア全体にわたって気にすることが大事なのだ。
働いている間、収入が上がるたびに生活スタイルにどんどんお金をかけるようになる「ライフスタイル・クリープ(ライフスタイル・インフレーション)」を避けなければならない。
人によって異なるが、働いている間は、たとえ昇給があっても最低その半分は貯金に回すのが基本ルールとアナスタシオは言う。
2. 非課税制度を賢く利用する
所得は、退職時にどのくらいの資産を形成できるかを決定づける、一つの要因でしかない。
できるだけ裕福になってリタイアするもう一つの方法は、確定拠出年金(iDeCo)、非課税口座(NISA)、生命保険の所得税控除を可能な限り利用することだと、アナスタシオは指摘する。こうした制度は、長期にわたり貯蓄を増やすのに役立つからだ。
投資で儲けたお金には普通は税金がかかるが、非課税制度を使えば毎年税金を支払うことなく、お金は複利で増え続ける。
アナスタシオによれば、退職プランを立てる際に、税引前の所得から資金を拠出できるiDeCo、資産を引き出す時に課税されないNISA口座の利用を検討することが大事だ。生命保険は掛け金を税額控除できるうえ、いつでも医療費のために使うことができる。
3. 定期的に投資する
お金を運用する際には、退職口座であろうと課税証券口座であろうと、定期的にある程度の金額を投資することが重要だと、ファイナンシャルプランナーのニコル・ピーターキン・モロンは語る。
例えば毎年1000万円(約7万7000ドル)稼ぐとして、その10%、つまり年間100万円(約7700ドル)を投資に回した場合、しかもそれを毎週約2万円(約150ドル)ずつ拠出したとすれば、年率8%で運用できれば30年で億万長者になれる。
投資額がもっと多くても、早くリタイアしたり、逆にもっと長く働いても投資額が少なかったりすれば、億万長者になるのにさらに時間がかかる。
モロンは言う。
「毎月や毎年に数回ではなく、毎週投資をすると、複利による恩恵がさらに大きくなるため、十分な投資効果にあずかれるだろう」
(翻訳・中山桂、編集・長田真)