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気候変動による干ばつで、3400年前の古代都市が再び出現…イラク、チグリス川で

水没していた青銅器時代の建造物が、干ばつにより川の水位が下がったことで姿を現した。

水没していた青銅器時代の建造物が、干ばつにより川の水位が下がったことで姿を現した。

Universities of Freiburg and Tübingen, KAO

  • 極度の干ばつでチグリス川の水位が下がり、約3400年前の都市が出現した。
  • イラクはここ数カ月の間、気候変動による干ばつに見舞われている。
  • 考古学者たちは、気候変動によって露出したり破壊されたりした遺物の保存を急いでいる。

気候変動が引き起こした深刻な干ばつによってイラクの青銅器時代の古代都市が姿を現し、これによって調査する機会が得られたと研究者らが2022年5月30日に発表した。

イラクのクルディスタン地方では、2021年12月にこの地域を襲った干ばつから農作物を守るために、チグリス川の貯水場から大量の水が汲み上げられた。そのため水位が下がり、川沿いにある3400年前の古代都市の建造物が再び姿を現した。

国連によると、イラクは世界で5番目に気候変動の影響を受けやすい国だという。気温の上昇により乾燥し、干ばつになりやすく、農業とそこに住む人々の生活を脅かしている。イラク水資源省の上級顧問は4月、「水の蓄えは2021年の約50パーセントと、かなり少ない状況だ」とAFPに語り、この懸念される状況は「2020年、2021年、2022年と連続して発生した干ばつ」が原因だとしている。

水面下に都市の遺跡があることは以前から知られていたが、調査ができるのは、干ばつ時に姿を現すときだけだ。前回遺跡が出現したのは2018年の干ばつ時であり、次がいつになるのか、研究者にも分からない。

この古代都市から高さ6メートルの壁に囲まれ、いくつかの塔、高層の建物を含む宮殿が見つかったと、発掘チームは発表した。

この古代都市から高さ6メートルの壁に囲まれ、いくつかの塔、高層の建物を含む宮殿が見つかったと、発掘チームは発表した。

Universities of Freiburg and Tübingen, KAO

2022年1月と2月、クルド人とドイツ人から成る考古学者チームは、「ケムネ」と呼ばれるこの遺跡に駆けつけ、高さ6メートルの壁、いくつかの塔、高層の建物などで構成される宮殿を含む古代都市の大部分を発掘し、地図を作成した。

考古学者によると、この都市は紀元前1550年から1350年にかけてメソポタミア北部とシリアの大部分を支配したミタンニ王国の時代にさかのぼるという。紀元前1350年頃、ミタンニの都市は大地震に見舞われ、壁の上部が崩れ落ち、建物が下敷きになった。そのおかげで、長年水面下にあっても、古代の建造物の保存状態がよかったのかもしれないと、研究者らは考えている。

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