ビル・ゲイツ。
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- ビル・ゲイツが、毎年恒例の夏のおすすめ図書を発表した。
- 今回の5冊の推薦図書は、ジェンダー平等、政治の二極化などの問題に取り組む内容だ。
- ゲイツは自分が読み、人にも薦める図書を紹介している。
夏が近づき、またビル・ゲイツがこの時期に読むことを薦める図書をリストアップした。
ゲイツが2022年の夏の推薦図書を発表した。この中には、彼自身は読書を楽しめたが、「ビーチで読むようなものではなない」と認めるものもある。
「夏の読書に薦める本を集めているうちに、バケーションの間に読むには重いテーマが多いと気づいた」と、彼はブログに書いている。
「ジェンダー平等、政治の二極化、気候変動、そして人生は若者が思うようにはならないという難しい事実に関する本だ」
「だが、ここで紹介する5冊を重たいとは感じない」とゲイツは続けた。
「5冊の著者は、小説家3人とジャーナリスト、科学者であり、彼らは重たいテーマを複雑さを犠牲にせずに説得力のある作品にまとめている」
2022年の夏の休暇のお供にゲイツが薦めるのは、次の5冊だ。
『パワー(原題:The Power)』ナオミ・オルダーマン(Naomi Alderman)
Little, Brown and Company
このスペキュレイティブ・フィクション小説でオルダーマンは、若い女性が突然自分の手で電気ショックを起こせる能力を得て、文字通りかつ比喩的に、男性よりも大きな力を得ることとなった世界を書くことで、ジェンダーの役割や不平等について探求している。
ゲイツは、この本を娘のジェンから薦められたという。
「多くの女性が経験している虐待や不正について、より強く、体感することができた」と、ゲイツはブログに書いた。
「そして、アメリカや世界中でこのような問題に取り組む人々に感謝の気持ちが広がった」
『Why We're Polarized』エズラ・クライン(Ezra Klein)
Simon & Schuster
この本で著者のクラインは、アメリカの政治システムが二極化して、悪影響を及ぼしていると論じている。
「この本は、根本的にアメリカの政治に関するものだが、人間の心理についても興味ある見方をしてる」と、ゲイツは書いている。
『The Lincoln Highway』エイモア・トールズ(Amor Towles)
Penguin Random House
1950年代を舞台にしたこの小説は、ネブラスカの少年矯正農場から出たばかりの18歳の少年が、8歳の弟を連れてカリフォルニアで新しい生活を始めようと計画したが、施設で出会った2人の少年によって阻止される様子を描いている。
「トールズは、有名なヒーローの物語からインスピレーションを得ていて、我々の旅は自分が望むほどまっすぐでも予想通りでもないと伝えたいようだ」と、ゲイツは書いている。
『The Ministry for the Future』キム・スタンリー・ロビンソン(Kim Stanley Robinson)
Hachette Book Group
この小説は、近い将来、気候変動がどのように人間に影響を及ぼすかについて、架空の目撃者を通して気候危機に焦点をあてたものだ。
「とても複雑で要約することは難しいが、ロビンソンは何十年も大陸を超えて広がるような、魅力的な考えや人々が満載の刺激的で人をひきつける物語をつくっている」とゲイツは述べている。
『How the World Really Works』バーツラフ・シュミル(Vaclav Smil)
Penguin Random House
この本は、エネルギー生産やグローバリゼーションのような問題など、現代の世界の基本的な相互作用について深く掘り下げている。
「人間の生活を形づくる多くの基本的な相互作用について、簡単だが数字的な思考を知りたいなら、この本を読むべきだ」とゲイツは薦めている。
[原文:Bill Gates just released his 5-book reading list for the summer — here's what's on it]
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)