Jemal Countess/Getty Images for TIME
- アップルのティム・クックCEOは、さらなるリモートワークへのシフトを「すべての実験の母」と呼んでいる。
- 彼は人と直接会うことで生まれる「セレンディピティ」を好むが、働き方は「ハイブリッドモデル」が主流になるだろうと述べている。
- 拡張現実のようなテクノロジーは、人と人とのつながりを代替するのではなく、強化するために使うことができる。
COVID-19のパンデミックによって労働者が突然オフィスから締め出されて2年以上が経ったが、リモートワークの役割はまだ定まっていないと、アップル(Apple)のティム・クック(Tim Cook)CEOは述べている。
ニューヨークで開催された「TIME100シンポジウム」に登壇したクックは、現在、職場で起きている最大の変化について問われ、「我々はすべての『実験の母』を動かしているところだ。なぜならまだよく分かっていないからだ」と答えている。
「試験的な運用を行い、何がベストなのかを見い出そうとしている」
クックは、個人的な好みは対面会議から生まれる「セレンディピティ」だとしながらも、バーチャルな交流が「劣っているわけではなく、ただ違うだけ」だと述べた。
アップルは、オフィスでの業務再開に関して同業他社よりも厳しい姿勢を見せている。同社の元機械学習ディレクターであるイアン・グッドフェロー(Ian Goodfellow)は、2022年5月に退職したのはその方針が理由だと公言している。彼はそのとき、「もっと柔軟性があれば、私のチームにとって最高の方針になったはずだという思いが強い」とVergeのゾーイ・シファー(Zoë Schiffer)記者に語っている。
クックはシンポジウムでビデオチャットのアプリの話題になると、ZoomとCiscoのWebExについて言及した。
重要なのは、対面とバーチャル、それぞれのやりとりにおける長所を生かした(働き方の)モデルを見つけることであり、最終的なモデルは現在とはかなり異なるものになるだろうと彼は述べている。
「そもそも出発点が間違っている可能性が高く、微調整が必要になると指摘するのは我々が初めてだろう」
また、アップルの拡張現実(AR)への進出についてはコメントを避けたものの、このテクノロジーは「我々の会話やつながりに取って代わるものではなく、それらを強化する可能性を秘めている」と述べた。
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)