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6月10日、ユーグレナの次世代バイオディーゼルがGSで販売開始。バイオ燃料の供給拡大続ける狙いとは?

ユーグレナの次世代バイオジェット燃料とバイオディーゼル燃料。

ユーグレナの次世代バイオジェット燃料とバイオディーゼル燃料。

撮影:今村拓馬

6月10日、ユーグレナ(ミドリムシ)などを使ったバイオ燃料の開発で知られるバイオベンチャー・ユーグレナが、愛知県にある中川物産グループの中日リース「名港潮見給油所」で、次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」の一般向け継続販売を開始する

ユーグレナは2021年4月に、葛飾区にあるサービスステーション(いわゆるガソリンスタンド、給油所)で次世代バイオディーゼル燃料の一般向け販売を3日間限定で実施。継続的に一般向けに販売するのは、今回が初めてになる。

ユーグレナ広報によると、販売価格は1リットルあたり300円前後。石油由来の軽油(ディーゼル燃料)にサステオを20%混合して販売することになる。なお同給油所では通常の石油由来の軽油のみの販売も継続する。

軽油の代わりになる、次世代バイオディーゼル

ユーグレナが供給している「サステオ」は、軽油を100%代替できる「次世代バイオディーゼル燃料」と、航空機用のジェット燃料と最大50%まで混合して使用できる「持続可能な航空燃料(SAF)」の2種類。これらの燃料は、ミドリムシや廃食油などを原料にすることで、例えばミドリムシが成長する過程で二酸化炭素を吸収することなどから、従来の石油由来の燃料と比べて環境負荷が低い。

特にSAFについては、航空業界で世界的に導入が加速しており、日本でも2030年を目処に航空機の燃料の10%をSAFに置き換える目標設定がなされるなど、ここ最近、注目度はさらに高まっている

横浜市鶴見区に建設された、バイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラント。

横浜市鶴見区に建設された、バイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラント。

画像:ユーグレナ

ユーグレナはこういった需要を見越して、2018年に横浜市鶴見区にバイオ燃料を製造する実証プラントを竣工し、2020年1月にはジェット燃料としての国際規格を取得。実証プラントが稼働し始めた2020年3月以降は、いすゞ自動車の藤沢工場敷地内を走るシャトルバスへの供給を皮切りに、船や鉄道、ヘリコプターなど、陸・海・空のあらゆる乗り物に対して次世代バイオディーゼル燃料の供給を拡大してきた。

いすゞ自動車の社用バスや、川崎鶴見臨港バス、西武バスなどでは、ユーグレナの次世代バイオディーゼル燃料を継続的に利用している実績がある。

また、2021年6月には、同社のSAFを搭載した飛行機が初めてのフライトを成功させたことも大きな話題となった。

今回、中川物産との間で一般向けに次世代バイオディーゼル燃料を継続販売することになった理由について、ユーグレナは

「2025年商業化開始に向けたマーケティング活動の一環で、バイオ燃料を気軽に給油してもらうための場を提供することが目的となります」

とBusiness Insider Japanの取材に対して回答した。

一般向けに継続販売するのは初めてということもあり、供給量については「今後の需要状況を見た上で決めて参ります」(ユーグレナ広報)という。また、中日リースの名港潮見給油所以外の給油所での販売や、他社のサービスステーションでの展開については、「もちろんありえると考えています。国内にバイオ燃料を普及させるために必要であると捉えています」(ユーグレナ広報)としながら、具体的な計画については答えられないと回答があった。

名港潮見給油所

名港潮見給油所。

画像:ユーグレナ

バイオ燃料の使用は「当たり前」になるか

ユーグレナは、2025年の完成を目指して次世代バイオディーゼル・バイオジェット燃料の商業プラントの建設計画を進めている。すでに稼働している実証プラントの生産量は年間125キロリットル。商業プラントが本格稼働する2026年には、生産量は2000倍となる年間25万キロリットル以上になる計画だ。

商業プラントが完成・本格稼働して生産量が一気に増えたとしても、サプライチェーンが構築されていなかったり、「バイオ燃料を使用する」という社会的なマインドが整っていなかったりすればうまく普及しない。

ユーグレナがサステオの供給先の拡大を着実に進めているのは、その土壌整備の意味合いも強いと言える。

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