“アマゾン経済圏”にじわり取り込まれるD2C各社。ターゲティング広告低迷、配送料値上げで「アマゾンも悪くない」

アマゾンの画面

Paul Hennessy/NurPhoto via Getty Images

過去5年ほど、ナイキ(Nike)やビルケンシュトック(Birkenstock)などのブランド各社は、アマゾンのストアフロントから撤退してD2C(Direct-to-Consumer)のチャネルに注力し、顧客との関係を独自に築いてきた。

こうした動きは、オールバーズ(Allbirds)やハリーズ(Harry's)など、消費者に直接販売するほうが優れたビジネス手法であるという前提で立ち上げられた新興企業に触発されたものだった。

しかし、日々の運営のほか、FacebookやInstagramなど従来の顧客獲得手段の管理にかかるコストがかさむようになるにつれ、デジタルネイティブなブランドはアマゾンという選択肢も悪くないと考えるようになってきている。

アマゾンの新機能「Buy With Prime」の破壊力

アップルが2021年4月に「アプリのトラッキングの透明性(ATT:App Tracking Transparency)」機能を導入したことで、iPhoneユーザーはFacebookなどのアプリを使用する際にデータトラッキングを拒否できるようになった

そのため、D2Cブランド側はSNS広告で顧客をターゲティングすることが難しくなったうえ、フェデックス(FedEx)やUPSによる配送料金の値上げもあって2022年に入りかなりのコスト高になっている。

一方、サプライチェーン問題は依然として残っている。そのようななか、アマゾンが新機能「Buy With Prime」を発表した。この機能を使うと、D2Cブランド各社は自社のウェブサイト上でありながらアマゾンのフルフィルメントサービスを利用して販売することができる。D2Cブランドがアマゾンのプラットフォームを試すにはもってこいの仕組みだ。

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