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なぜアップルは時価総額「世界一」から転落したのか。現れ始めた「コロナの次」示す予兆【音声付・入山章栄】

今週も、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄先生が経営理論を思考の軸にしてイシューを語ります。参考にするのは先生の著書『世界標準の経営理論』。ただし、本連載はこの本がなくても平易に読み通せます。

米株式市場では5月11日、アップルが時価総額首位の座をサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコに明け渡しました。

入山先生は、これらの状況はコロナのフェーズが終わり「デカップリング(分断)」のフェーズに入ったことを意味していると言います。一体どういうことなのでしょうか。今後の成長市場についても一緒に考えていきましょう。

【音声版の試聴はこちら】(再生時間:13分29秒)※クリックすると音声が流れます


ネットフリックスの会員数が激減

こんにちは、入山章栄です。

ネットフリックスやアマゾンなど、新型コロナウイルスの流行を追い風として売り上げを伸ばした企業の業績が下がってきているようですね。


ayuko-tokiwa

BIJ編集部・常盤

4月下旬、GAFAなどテック企業大手各社が発表した第1四半期の決算内容は、明らかに潮目の変化を物語っていましたね。

なんといっても驚きだったのが、ネットフリックスやアマゾンなど、パンデミック特需の恩恵を受けた企業がここへきて失速したことです。ネットフリックスはずっと右肩上がりで有料会員数を伸ばしてきたのですが、たった3カ月の間に会員数が約20万人減少し、来期はさらに減るという見通しも出していて、それで株価がガクッと下がったということがありました。

これからコロナが明けて経済が再開していくわけですから、コロナ特需に沸いた企業は売上を上げていくのが難しくなるかもしれません。逆に伸びていく業界もありそうです。このあたりを入山先生はどうご覧になりますか?


まずネットフリックスの場合は、コロナが落ち着いてきたということもありますが、単純にライバルであるDisney+(ディズニープラス)が強いということがあると思います。僕はアメリカに10年住んでいましたが、アメリカでは日常にディズニーが溶け込んでいますから、コンテンツとして本当に強い。

ネットフリックスももちろん強いけれど、コンテンツの蓄積が十分にないため、いま巨額の投資をしている。

一方、ディズニーは昔から映画に投資をしてきて、膨大なコンテンツのストックを持っています。それに加え、『スターウォーズ』のような強力なコンテンツもあります。だから「Disney+を新たに契約するなら、今まで加入していたネットフリックスは解約しよう」となるのは、当然の流れではないでしょうか。

アメリカ人は豊かな生活をしているイメージがありますが、それは一部の層の話です。ご存じのように現実には貧富の差が拡大しており、しかも物価も上がっている。

そうすると、これまでネットフリックスを契約していた中流層の多くの世帯にとって、「Disney+とネットフリックスの両方とも契約する」という選択肢はないのでしょう。

コロナが収まれば、これらの会社の伸びがある程度落ち着いていくのはある意味当然です。短期的な変動に惑わされず、中長期的な変化を見ていくのが大事ではないかと思います。

石油会社サウジアラムコが時価総額でアップルを抜く

その一方で、僕がいま気になっているのが、テック企業と非テック企業の関係性です。

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