ニューヨーク州エルドレッドにあるこの家は、ポーチが小川に浮かんでいるように見えることから「フローティング・ファームハウス」と呼ばれている。
Gabriel Zimmer of Catskill Image
- 1820年に建てられたニューヨーク州エルドレッドにある4ベッドルームの家が287万ドルで売りに出されている。
- この家は、ポーチが小川の上に浮いているように見えることから、「フローティング・ファームハウス」として知られている。
- 現在、この家は短期賃貸物件として利用されており、料金は1泊1560ドルからとなっている。
ニューヨーク州のキャッツキル山地にある、小川に浮かぶように見えるポーチで知られる「フローティング・ファームハウス」が、287万ドル(約3億9000万円)で売りに出されている
ニューヨーク州エルドレッドにあるこの家は、ポーチが小川の上に浮かんでいるように見えることから「フローティング・ファームハウス」と呼ばれている。
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物件情報によると、この家はニューヨーク州南東部サリバン郡ハイランド町のエルドレッドにあり、土地面積は8.69エーカー(約3.5ヘクタール)。1820年に建てられ、納屋も付いているという。
現在の所有者は、建築家として開業するトム・ジヴォン(Tom Givone)で、郡の記録によると、2007年に21万5000ドルでこの土地を購入したという。物件記録によると、彼がこの家を売りに出すのは今回が初めてだ。
「すべての改築と物件の改良に175万ドル(約2億3000万円)をかけた。メインハウスのリノベーションは2007年から2011年にかけて行った」とジヴォンはInsiderに語っている。また、この家の特徴である小川に浮かぶポーチも彼が設計したものである。
リアルター・ドットコム(Realtor.com)のデータによると、エルドレッドの住宅の平均公示価格は29万9000ドル(約3968万円)だ。この家の287万ドル(約3億8000万円)という価格は、この地域で最も高い。
不動産会社フォーシーズンズ・サザビーズ・インターナショナル・リアルティ(Four Seasons Sotheby's International Realty)のアナベル・テイラー(Annabel Taylor)がこの物件を担当している。
ジヴォンはかつてのリビングルーム、ダイニングルーム、ファミリールームの壁を取り払い、メインリビングを作り上げた
メイン・リビングルーム。
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ジヴォンは、リビングルームの木製の床板を初め、この家に元々あった多くのものを今回の改装に生かした。酸化処理をしたスチールパネルで作った特大の暖炉などの新しい要素を加え、リビングのアクセントにしたという。
キッチンに特注の薪ピザ窯が設置されている。ピザ窯はリビングの暖炉と同様、酸化処理されたスチールパネル使い、床から天井までのはめ込みで作られている
キッチン。
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物件情報によると、キッチンの天井は高さ20フィート(約6メートル)の吹き抜けで、梁がむき出しになっている。キッチンのキャビネットには地元の採石場から取り寄せたブルーストーンのカウンタートップが取り付けられている。
「このディテールはすべて評価されるべきものだ」とテイラーはInsiderに語った。
「この家は、友人や家族と楽しむために建てられている」
ダイニングには壁一面にスチールの枠の大きなガラス窓がはめられ、庭の芝生を見渡すことができる
ダイニングエリアはオープンキッチンに隣接している。
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暖炉やピザ窯と同様、ガラスの窓の金属フレームは酸化処理をされたスチールを使用している。赤茶色の錆の風合いを出すために、スチールのパネルは何カ月も酸に浸けなければならなかったという。
この家には4室のベッドルームがあり、その1つのプライマリー・スイートにはアーチ型の天井と木の梁がある
プライマリー・スイート。
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Source: Four Seasons Sotheby's International Realty
さらにジヴォンはファームハウスに元々あった杉板屋根の一部をプライマリー・スイートの天井に取り入れた
寝室の壁の一部に、ファームハウスに元々貼られていた杉板の屋根を見ることができる。
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「この家の随所に見られるユニークさとイノベーションは、素晴らしい家から真に興味深い家へと導いている」とテイラーは言う。
バスルームは2つあり、その1つには18世紀のシンクや19世紀のバスタブといったアンティークが使われている
バスルーム。
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物件情報によると、イタリア産の大理石が使われたシンクは、ジヴォンがローマから取り寄せたという。
ジヴォンのウェブサイトによると、銅製のバスタブは、マンハッタンのロウワー・イースト・サイドにある古い建物からステンレスで包んで引き揚げてきたものだという。
小川にかかるポーチは、家が水の上に浮かんでいるような印象を与えている
小川の上に浮かぶポーチ。
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「キャッツキルの手つかずの小川がイギリスの堀のようにこの歴史のある家に打ち寄せる、この魔法のような環境がインスピレーションを与えてくれた」とジヴォンは言う。
「屋根のあるポーチは、水面には片持ち梁で設置し、浮遊感を最大限に高めている」
彼のホームページによると、ポーチの天井の木材は「敷地内で伐採・製材されたもの」だという。
1800年代に建てられたこの納屋は、MacBookに使われているようなアルミパネルを使って改装されたため、「マックバーン(MacBarn)」というニックネームが付けられたという
この物件には、改装された納屋が付属している。
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「Macなどでよく見られるパンチングアルミニウムを使用したことで、光と風が繊細に美しいこの空間を行き交っている」とテイラーは話している。
納屋には全面ガラス張りの壁がある
納屋の内部。
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テイラーによると、納屋には開閉式のドア、システム暖房、新しい浄化槽が設置され、新しいオーナーはゲストハウスとしても利用できるという。
ジヴォンは現在この物件を短期の賃貸住宅や写真スタジオとして使っている
フローティング・ファームハウスと納屋。
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フローティング・ファームハウス(Floating Farmhouse)のサイトによると、この家はニューヨークから2時間ほどの場所にあり、レンタルも可能だという。宿泊料金は、最大8名で1泊1560ドル(約20万8000円)からだが、週末や祝休日は割増料金になるという。マスが放流されている小川では、釣りをしたりや泳いだりすることもできる。
宿泊だけでなく、フローティング・ファームハウスのサイトにあるように、撮影場所として利用したい企業への貸し出しも行っている。利用料金は要問い合わせとのこと。
レンタル事業は2012年の開始以来、着実に成長しており、ここ数年は安定的しているという。
しかしながら、ジヴォンは、そろそろ次のプロジェクトに移るときだと感じ、この家を売却することにしたという。
「フローティング・ファームハウスや私のライフワークを、このように親密な形で他の人々と共有したことは、信じられないほどの満足感を与えてくれた。だが私の本質はアーティストであって、創作活動には手放すことが不可欠なのだ。次のオーナーに愛情を込めてこの家を引き渡し、そして新しいものが生まれる場所を作る時が来たと思う」
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)
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