維新・猪瀬氏の応援演説が「セクハラ」と批判殺到、本人は「軽率だった」。松井代表「慎むべき」

応援演説での猪瀬氏。

応援演説での猪瀬氏。

出典:大阪維新の会公式YouTube

夏の参院選で日本維新の会の全国比例区から出馬予定の猪瀬直樹・元東京都知事が批判を集めている。応援演説中に候補予定者の女性の体に複数回触ったことが原因だ。

女性候補予定者の身体に複数回触る

批判を呼んでいる行為は20分過ぎ〜。(※6月17日午後4時現在、動画は非公開となっている)

動画: 大阪維新の会

問題となっている行為は2022年6月12日、日本維新の会が東京・吉祥寺駅前で行なった演説会で起きた。動画は党のYouTubeで公開されている。

猪瀬氏は街頭演説で、参院選・東京選挙区に日本維新の会の公認候補として出馬予定の元・プロスノーボーダーで大阪市議の海老沢由紀氏を紹介した。その際、同じくスノーボーダーの平野歩夢(あゆむ)選手を引き合いに出し、

「平野歩夢は、平野歩夢じゃない。あゆみちゃん、えびさわゆきさんは」

と名前を呼び間違えたことをきっかけに、海老沢氏の肩や背中などに触った後、胸の付近を触れるような動きがあった。この様子をとらえた写真や動画がTwitterでシェアされたことをきっかけに、批判の声が上がった。

「セクハラ」と批判殺到

「これはセクハラでしょ...。女性候補者にいつまでこんな思いをさせるのか...」(たかまつななさん・時事 YouTuber)

「猪瀬直樹氏の『公然セクハラ』動画が流れて来たのですが、まず他者の肉体は、その人の物で、許可なく勝手に触ったらダメです」(佐久間裕美子さん・文筆家)

「その場にいてスルーした(止められる立場にあった)音喜多議員にも見解聞くべきだし、セクハラという観点とともに、なぜ「票ハラ」がなくならないのかという視点でも掘り下げられるべき案件なんじゃないですかね」(津田大介さん・ジャーナリスト)

「軽率な面があった」

国会議事堂

議員に対するセクハラ・票ハラは大きな問題になっている。

画像:GettyImages /kanzilyou

本件について猪瀬直樹氏はツイートで見解を述べた。

「仲間を紹介する際、特に相手が異性の時は肩に手をやるなど身体を触ることには慎重になるべきだとご指摘をいただきました。確かに軽率な面がありました。

十分に認識を改め、注意をして行動していきたいと思います。改革のために、引き続きご支援のほどよろしくお願い申し上げます」

内閣府男女共同参画局が、地方議員1万100人を対象に実施したアンケートによると、議員活動や選挙活動中に、有権者や支援者、議員などからハラスメントを受けたことがあると回答した女性は約6割(57.6%)に登る。

また同アンケートでは、議員活動を行う上での課題として「性別による差別やセクシャルハラスメント」を挙げた女性は3割超(34.8%)となり、立候補前から選挙期間前に限っても、そうしたセクハラを課題に挙げた女性は2割を超えている(24.9%)。

なお、内閣府が公表している「政治分野におけるハラスメント防止研修教材パンフレット」によると、「本人の意に反して、手や背中に接触したり、抱きついたりする行為は、セクハラに当たり得る」と言及されている。

日本維新の会をめぐっては、石井章参院議員が立候補予定者の女性に対して「女性5人が出るが年齢は1番若く、顔で選んでくれれば1番を取るのは決まっている」(5月15日)、また、馬場伸幸共同代表が立候補予定の女性の名前を間違えた際に「あまりに可愛いので間違えました」(6月4日)と発言したことなどが報じられ、問題視されていたばかりだ。

日本維新の会の松井一郎代表(大阪市長)は、6月17日の囲み会見で見解を問われると、

「そういう風(セクハラ)に受け取られるような可能性があるならやめるべき」「見ている側の人が気分を害するようなことは慎むべき」とコメントした。

動画: 日本維新の会

Business Insider Japanでは日本維新の会に党としての見解を求めており、回答があり次第、追記する。

(文・竹下郁子 / 西山里緒

編集部より:初出時「顔で選んでくれれば1番」という発言は日本維新の会・藤田文武幹事長ではなく、石井章参院議員のものでした。お詫びして訂正致します。(2022年6月17日 14:40)

【UPDATE】一部表現を修正しました。(2022年6月17日 16:01)

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