男性には「天才」、女性には「頑張った」…性別や人種によってフィードバックが違うことが判明

多様性

skynesher/Getty Images

  • 女性や有色人種は、白人男性よりも評価の低いフィードバックをマネージャーから受けていることが、新たな研究で明らかになった。
  • アジア系や白人の男性は「天才」と評価されることが多く、有色人種の女性は「努力家」と評価されることが多いという。
  • また、別の調査では、最も問題のあるフィードバックを受けた人は、賃金も最も低いことが分かった。

ビジネス文書の作成プラットフォームTextioのCEO兼共同設立者であるキエラン・スナイダー(Kieran Snyder)は、10年以上前に職場のコミュニケーションについて研究を始めた。自身の性差別の経験と学術的なキャリアに基づき、自然言語分析を行っている。

彼女は会議、履歴書、ソーシャルメディア、業績のフィードバックなどに使われる言葉から、偏見のパターンを見てきたという。例えば、女性は男性よりもあからさまに否定的でパーソナリティに基づいたフィードバックを受けるといったことが調査でも明らかになった。

2022年初め、スナイダーが率いるチームは、労働者がマネージャーから受けるフィードバックが性別、人種、年齢によってどう違うかについて、幅広い調査を行った。

MeToo運動やジョージ・フロイド殺害事件から2年が経ち、アメリカでは多様性(ダイバーシティ)、公平性(エクイティ)、包括性(インクルージョン)への取り組みが強化されたと考えられているが、スナイダーらの研究により、その見解に再考を求めるような結果が示された。

ある中規模の組織では、黒人女性は白人男性の2倍、パーソナリティに関するフィードバックを受けたという。一方、アジア系男性の場合、そのようなフィードバックは白人男性よりわずかに少ない程度だった。

パーソナリティに関するフィードバックが問題になる理由は、労働者がそれに対してできることがほとんどないからだと研究者は述べている。

別の例では、白人とアジア系の男性は、フィードバックで「優秀(brilliant)」「天才(genius)」と評価されることが他よりもはるかに多く、女性は「努力家(overachiever)」と評価されることが多かった(白人男性の5倍)。研究者によると、この言葉は通常「低い期待値を超えて優秀な成績を修めたとき」に用いられるという。

「あるグループは、他のグループよりも基本的な能力が高いと考えられている」と研究者らは記している。

「このことは、文書によるフィードバックに表れるだけでなく、さらなる挑戦的な課題を与えられる機会や、長期的に見た場合の昇進率にも反映される」

つまり、よりよいフィードバックを得ることは、昇進のチャンスやリーダーシップをとる機会、より高い給与につながっているのだ。

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