18人の大学職員が1週間メタバースで働いてみた結果…2人は数時間で脱落


The idea of the Metaverse as the future of work has gained traction since Mark Zuckerberg renamed Facebook as Meta.

マーク・ザッカーバーグが「Facebook」を「Meta」と改名してから、仕事の未来の姿として「メタバース(Metaverse)」に注目が集まった。

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  • 18人のボランティアが、VR(バーチャル・リアリティ)を使用し、メタバースで1週間仕事をする実験を行った。
  • 2人は数時間で脱落し、残りの人々も最後まで不安とフラストレーションを感じていたと報告されている。
  • この研究は、メタバースでの仕事の可能性を探る今後の研究の基礎になりそうだ。

メタバースのコンセプトは、仕事や会議、さらには企業が社員を採用する方法の未来の姿として、その熱烈な支持者たちに歓迎されている。

しかし最近の実験結果は、それはまだ現実には程遠いことを示している。

その実験は、18名の大学職員たちが、まるまる1週間メタバースにログインし続けるというものだった。このうち2人は、吐き気を発症して脱落し、残りの人たちもイライラや不安を感じ、最後には目が痛くなったとイギリスの週刊科学雑誌の『ニュー・サイエンテイスト(New Scientist)』は報じている。

2021年、フェイスブック(Facebook)がMetaに改名してからよく知られるようになったメタバースだが、その基本は人々がアバターやバーチャル・リアリティ(VR)技術を使って交流するというインターネットのVRバージョンだ。

Quantifying The Effects of Working VR for One Week(1週間のVR作業の効果を数値化する)」と題した論文で紹介されたこの実験で研究者チームは、VRでの長時間作業が与える影響と物理的な環境での作業との違いを把握したいと考えていた。

研究者チームは大学職員や研究者であるボランティアに、1週間のうち5日間をVRのオフィスで勤務してもらった。参加者は1日8時間(昼休みは45分)をVRの世界で過ごした。その後、実世界の職場環境で同じ時間を過ごしてもらった。

参加者たちは決められたタスクは与えられず、自分自身で仕事を管理することができた。ただし、彼らは同じ機器を使っている。

参加者のうち2人は、ヘッドセットのオキュラス・クエスト2(Oculus Quest 2)の重さもあってか、吐き気や不安、偏頭痛を訴え、数時間で脱落してしまったという。吐き気はVRの副反応としてよく知られている症状だ

残りの人たちはVRでの仕事を1週間続けたが、いくつかのネガティブな結果が報告された。物理的な作業環境と比較し、参加者は平均してフラストレーション・レベルが42%増加し、眼精疲労は48%増加したというのだ。

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