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2022年の最注目ワードの一つとも言えるのが「メタバース」だ。
現在、大手企業の業界参入が相次いでおり、実際に利用できるサービスも増加中。PCやスマートフォンだけでなく、VRヘッドセットも身近なデバイスになりつつあり、個人で体験するためのハードルも下がっている。ただ、バズワードの宿命か、さまざまな関連ワードが飛び交って玉石混淆の情報が入り乱れており、本質や現状が理解しづらい状況にもなっている。
今回は、メタバースの本質や現状を理解し、今後のビジネスにつなげるために読みたい書籍のおすすめを紹介する。
『メタバース さよならアトムの時代』
メタバースの定義から歴史、生み出すマーケットや経済面でのインパクト、技術的な背景、日本の立ち位置、未来展望まで、メタバースプラットフォーム「cluster」の創業者である加藤直人氏がわかりやすく解説している。
ある程度引いた立場からの体系化された知識が得られるのに加えて、今まさにプレイヤーの1人としてメタバース市場のど真ん中で奮闘している著者ならではの視点も随所に散りばめられており、メタバースについて学ぶ最初の1冊として最適だ。
『メタバース未来戦略 現実と仮想世界が融け合うビジネスの羅針盤』
メタバースの本質から始まり、主に関連ビジネスの始め方や今後生まれるビジネスチャンスについて考察している。
著者の一人、久保田瞬氏はメタバースの専門メディア「Mogura VR」の編集長を務め、メタバースの歴史やあらゆるトピックに精通するだけでなく、煽りすぎない冷静な視点と語り口が魅力。現在のメタバース業界のトップランナーたちへのインタビューも掲載されており、特に今後のビジネス活用を考える人には必見の内容だ。
『図解ポケット メタバースがよくわかる本』
メタバースの基礎知識はもちろん、ビジネスで関わる上での課題やリスク、企業の参入事例などについても、図版を用いて分かりやすく解説されている。
注目のメタバースプラットフォームやサービスのほか、個人がメタバースで稼ぐ方法なども紹介。また、SDGs的な視点から見たメタバースについて書かれたチャプターもあり、初心者が幅広いトピックに触れてメタバースの全体像を掴むのに向いている。
『スノウ・クラッシュ〔新版〕上・下』
米国のSF作家ニール・スティーブンスン氏による1992年発表の作品。凄腕ハッカーにしてピザ配達人というヒロ・プロタゴニストが主人公のこの小説には、「メタヴァース」という架空の仮想空間が登場する。これがメタバースの語源だと言われている。
作品の発表当時、米国内で高く評価されたこの作品は、その後のIT業界の重要人物たちにも大きな影響を与えたとされている。日本語版は長らく絶版になっていたものの、2022年1月に復刊。“原典”に触れることで、メタバースをより深く理解するヒントが得られるかもしれない。
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(文・加藤肇)