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太陽系を超えたNASAの「ボイジャー」、徐々にシャットダウンへ…2030年代までミッションを継続するために

NASAの探査機ボイジャー1号とボイジャー2号の通過予定軌道を描いた想像図(1977年ごろ作成)。

NASAの探査機ボイジャー1号とボイジャー2号の通過予定軌道を描いた想像図(1977年ごろ作成)。

Space Frontiers/Archive Photos/Getty Images

  • NASAは、減少する電力を節約するために、探査機ボイジャー1号と2号に搭載された観測装置の一部について、段階的にシステムを停止している。
  • 2機の探査機は、打ち上げから45年を経過し、電源の出力が徐々に低下している。今回の観測装置の停止は、2030年まで運用を継続するための措置のひとつだ。
  • 1977年に打ち上げられたボイジャー1号と2号は、人間が作った物体としては、他のどの物体よりも地球から遠い距離に到達している。

アメリカ航空宇宙局(NASA)の探査機「ボイジャー」が成し遂げてきた、壮大な恒星間探査の旅が終わりに近づいている。科学誌『サイエンティフィック・アメリカン』の記事によると、NASAはこの探査機に搭載された一部の観測装置について、段階的に電源を落としているという。

ボイジャー1号と2号はどちらも、今から45年前の1977年に打ち上げられて以来、これまでの宇宙探査の限界を次々と突破してきた。現在では、人造物としては地球から最も遠い距離に到達しており、この記録はこれから数十年にわたって破られないとみられる。

今回の決断は、電力消費に優先度をつけることで、2機の計器の寿命をあと数年延ばし、2030年ごろまで生きながらえさせるための措置だと、サイエンティフィック・アメリカンは解説している。

ジョンズ・ホプキンス大学の応用物理学研究所所属の物理学者ラルフ・マクナット(Ralph McNutt)は同誌に、「我々はあのおんぼろ探査機を、予定の10倍にもなる期間にわたってこき使ってきたことになる」と語った。これは、ボイジャーのミッションが、当初の予定では4年間で終了するはずだったことを踏まえた発言だ。

2機の探査機は、放射性物質のプルトニウムを使った原子力電池を電力源にして観測を行なっている。この電力源が、搭載された小さなコンピューターを、何十年も止まることなく稼働させてきた。

システムを稼働させる電源の出力は、1年につき約4ワットほど低下を続けており、そのため使用電力を節約する必要があったと、サイエンティフィック・アメリカンは伝えている。

「すべてが本当にうまく運べば、2機のミッションを2030年まで延長させることもできるかもしれない。そうできるかは電力次第だ。そこが限界点になる」とNASAのジェット推進研究所(JPL)に所属する惑星科学者、リンダ・スピルカー(Linda Spilker)は、同誌に語った。

ボイジャー2号が1981年8月23日に撮影した土星の輪の写真(着色合成画像)。

ボイジャー2号が1981年8月23日に撮影した土星の輪の写真(着色合成画像)。

NASA

探査機の当初の目標は、木星と土星でフライバイを実施することだったが、こちらのミッションは、打ち上げの数年後に達成された(打ち上げ1977年、木星通過1979年、土星通過1980年~81年)。その後も2機は航行を続け、我々が住む太陽系の画像を送り、はるかかなたの宇宙から観測データを送信し続けた。

ボイジャー1号は1990年2月、「ペイル・ブルー・ドット(Pale Blue Dot=青白い小さな点)」という名で知られる有名な写真を撮影した。これは、太陽から60億キロメートル離れた位置から撮られた地球の姿(合成画像)で、これが青白い小さな点のように見えることからこの名で呼ばれるようになった。

「ペイル・ブルー・ドット」は、1990年2月14日にNASAの探査機、ボイジャー1号によって60億キロ離れた位置から撮影された地球の姿だ(この写真は2020年に再発表されたもの)。

「ペイル・ブルー・ドット」は、1990年2月14日にNASAの探査機、ボイジャー1号によって60億キロ離れた位置から撮影された地球の姿だ(この写真は2020年に再発表されたもの)。

NASA/JPL-Caltech

以下の動画には、ボイジャーが撮影した、さらに驚くべき画像がいくつも紹介されている。

ボイジャー1号は1998年1月、パイオニア10号(世界初の木星探査機として1973年に木星に最接近した後、太陽系を脱出する双曲線軌道に乗った探査機)の記録を抜き、人造物としては最も遠くに到達したものになった。この時の地球からの距離は、約104億キロメートルだった

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