イーロン・マスクは、世界で最も忙しいビジネスマンの1人だ。
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イーロン・マスク(Elon Musk)は世界で最も忙しいビジネスマンの1人かもしれないが、多くの仕事を抱えていることには利点があるとペイパル(PayPal)の元社員から作家に転身した人物が語った。
2000年にマスクがCEOを務めていたペイパルで財務を担当していた元バイスプレジデントのジェイソン・ポートノイは、2022年6月15日に公開されたポッドキャスト「Tim Ferriss Show」で、いわゆる「ペイパルマフィア」のメンバーであるマスク、ピーター・ティール(Peter Thiel)、リード・ホフマン(Reid Hoffman)と働いてもっとも印象に残ったのは「彼らは1度に1つのことだけをしていなかった」ことだと語った。
論理的に考えれば、人は何かに取り組むとき、そのことだけに集中するものなので、(彼らのやり方は)興味深く感じたとポートノイは言う。マスク、ティール、ホフマンの3人は、ペイパル時代もその後も、複数の会社やベンチャー企業に携わっている。
「彼らはそうすることで、異なるアイデアに触れたり、異なる問題を解決したり、異なる人々に会ったりして、多くの得るものがあったのだと思う。彼らは本当に多くのことに対応していた。そして、それをペイパルのオフィスに持ち帰っていたんだ」
起業家でベンチャーキャピタリストでもあるポートノイは、ティールが創業したデータ企業パランティア(Palantir)で最高財務責任者も務めていた。彼はポッドキャストに出演し、ペイパルの34番目の社員としてシリコンバレーでキャリアを築く一方、ポルノ依存症となり、そこからの回復を記録した著書『Silicon Valley Porn Star』について語っている。
ポートノイがマスクに初めて会ったのは、2000年にコンフィニティ(Confinity)に入社したときだった。この会社はティールが創業した決済のスタートアップで、後にペイパルへと発展した。当時、コンフィニティの事務所があったカリフォルニア州パロアルト、ユニバーシティ・アベニューの向かい側で、マスクは決済プラットフォームのスタートアップ、X.comに取り組んでいた。
X.comはコンフィニティと合併してペイパルとなり、マスクは一時期そのCEOを務めたが、2000年に追放された。彼はその後、テスラ(Tesla)、スペースX(SpaceX)、ボーリングカンパニー(The Boring Company)を設立し、そのすべてに現在も関わっている。
6月21日、マスクはソーシャルメディアプラットフォームであるTwitterの買収に一歩近づいた。同社の取締役会は、マスクが提案した440億ドルでの買収を暫定的に承認し、アメリカ証券取引委員会(SEC)に提出した書類の中で、株主もこの買収を支持するよう推奨したのだ。買収の賛否を問う臨時株主総会の日程はまだ決まっていない。
ポートノイによると、マスクは明らかに、ある会社で学んだことを、別の会社で応用しているという。
「そうすることが何らかの利益をもたらす可能性があるのだと思う」
フォーブスによると、マスクの純資産は推定約2190億ドル(約29兆円)で、世界一の富豪だと言えるだろう。その一方で彼は、週に100時間以上働いており、そのせいで家庭生活や睡眠が犠牲になることがあると認めている。
マスクは2022年5月に「午前3時までオイルを燃やしていない(働いていない)」労働者は、何らかの形で仕事を避けようとしているのではないかと述べ、批判にさらされた。
※この記事は2022年29日初出です。