アマゾンの新しいロボット「プロテウス」。
Amazon
- アマゾンは同社初の倉庫で働く「完全自律型」ロボット「プロテウス(Proteus)」を発表した。
- アマゾンの倉庫では通常、人間の従業員が働いている場所とは別の囲われたスペースでロボットが働いてきた。
- プロテウスは人間の労働者に混じって働くことができると、アマゾンは話している。
アマゾンの従業員たちは近い将来、倉庫で背の低い緑色のロボットたちと混じって働くことになるだろう。
アマゾンは6月21日(現地時間)、同社初の倉庫で働く「完全自律型」ロボット「プロテウス」を開発したとブログポストで発表した。
プロテウスの見た目は、アマゾンの倉庫で現在働いているロボットとよく似ている。ただ、これまでのロボットが人間の働いている場所とは別の囲われたスペースでしか使えなかったのに対し、プロテウスは人間の従業員と混じって自由に倉庫内を動き回ることができると、アマゾンは説明している。
プロテウスはまず、倉庫内の「ゴーカート(GoCarts)」 —— アマゾンでは倉庫内を行き来する、荷物を載せた高さのある車輪付きのケージをこう呼んでいる —— を動かすために使われる予定だという。
倉庫で働く「プロテウス」の姿はこちら:
アマゾンはプロテウスがいつから、どのくらいの規模で倉庫に導入されるのか、具体的なことは明らかにしていない。
Insiderはアマゾンにコメントを求めたが、回答は得られなかった。
プロテウスは「テクノロジーと人間のシンプルかつ安全な交流」を向上させるために開発されたと、アマゾンは明かしている。
同社はこれまで、倉庫で働く従業員の安全を守るための手段として、ロボットの導入を進めてきた。
2021年には『セサミストリート』や『マペット』のキャラクターから取った名前を付けた新たなロボットを複数導入していて、倉庫内の負傷率を下げることが目的だと当時、アマゾンは説明していた。
ただ、同社は従業員の身体的な負担を減らすための手段として自社のロボットを自慢しているものの、Revealが2020年に報じた内部データは、ロボットを導入している倉庫はそうでない倉庫に比べて、従業員の負傷率が高かったことを示している。
Revealの報道は、ロボットを導入している倉庫の方がそうでない倉庫よりもノルマが多く、労働者への身体的負担が大きいことを示唆している。
アマゾンがロボットに力を入れるのは、人間の労働力への依存度を下げるためでもある。
Recodeが今月報じた2021年の内部文書は、アマゾンが2024年までにアメリカで採用する人材が枯渇する可能性があると考えていることを示している。
その解決策として、文書にはロボットへの依存度を高めることや賃金を上げることなど、さまざまなアイデアがリストアップされていた。
(翻訳、編集:山口佳美)