ロシアのプーチン大統領(右)。
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- ロシアは6月27日、外貨建て国債の利払いについての債務不履行を否定した。
- クレムリンの報道官は、これは支払いを阻止した欧米の制裁によるもので「我々の問題ではない」と述べた。
- ロシアはドル建てとユーロ建ての外貨建債券の利息1億ドルを支払うことができていない。
ロシアは2022年6月27日、対外債務不履行(デフォルト)を否定し、支払いを阻止した欧米の制裁は「我々の問題ではない」と述べた。
ロシアのドル建ておよびユーロ建ての外貨建て債券の利息1億ドルの支払いは、6月26日に5月27日の支払期限から30日間の猶予期間が切れたため、不履行の状態にある。しかし、クレムリンのドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は、5月期限の債券の利払いを履行したと述べている。
ロイターが報じたところによると、ロシア政府はユーロ建て国債の支払いを国内の証券保管振替機関に送金したと述べている。しかし、この債券の約款はルーブルでの支払いを認めていないため、依然として債務不履行の状態にあることになる。
ロシアは400億ドルの未払い債務を抱えており、すでにデフォルトに近い状況に達している。
西側の制裁はロシアを国際金融から孤立させており、イギリス、カナダ、日本、アメリカが6月26日にロシアの金の新規輸入を共同で禁止すると発表したことが直近の打撃になっている。
しかし、ロシア政府は制裁によって金を含む約3000億ドル相当の準備資産が凍結されたにもかかわらず、支払い義務を果たすための資金を保有していると主張している。
欧米の政府関係者の中には、凍結されたロシアの資産をウクライナ支援に使う可能性を示唆する者もいる。しかし、クレムリンは6月27日、その考えに対して改めて反対の態度を表明した。
「我が国の外貨準備金は不法に封鎖されており、これらの資金を使用するすべての試みも不法であり、明らかな窃盗行為に相当する」とペスコフ報道官は述べている。
[原文:Russia denies it defaulted on bond payments as Western sanctions blocking them are 'not our problem']
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)