ピンタレスト最高経営責任者(CEO)に就任するビル・レディの暫定後任としてコマース部門を担当するバイスプレジデント(現任はプロダクト&デザイン・広告・アシスタント担当)のニック・フォックス。
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グーグル(Google)は、退任するコマース部門トップの後任として、長期プロダクト担当のバイスプレジデントを務めるニック・フォックスを暫定的に就任させる。Insiderの独自取材で明らかになった。
画像・動画共有サービスのピンタレスト(Pinterest)は6月28日、共同創業者兼最高経営責任者(CEO)のベン・シルバーマンが退任することを発表。同時に、グーグルのコマース&ペイメント部門プレジデントだったビル・レディが後継CEOに就任することを明らかにしていた。
レディのポジションを暫定的に引き継ぐフォックスは2003年にグーグルにジョインしたベテラン。現在はプロダクト&デザイン、検索、(グーグル)アシスタント担当のバイスプレジデントを務め、同ポジションでハングアウトや検索広告ビジネスも担当した経験がある。
レディの正式な後任となるプレジデントが見つかるまでは、フォックスが現在担当する部門と併せてコマース&ペイメント部門も管轄する。Insiderが広報担当に確認した。
フォックスは兼任中も引き続き、検索・アシスタント・GEO(グーグルマップ・アース含む)広告・コマース&ペイメント部門を担当するシニアバイスプレジデント、プラバカール・ラガバンを直属の上司とする。
グーグルの広報担当はレディの退社について、以下のようなコメントを発表している。
「ビル(・レディ)は、コマース&ペイメント部門の新たなビジョンと戦略を策定する上で中心的な役割を果たしてくれました。当社はビルが築いた強固な基盤の上に、ユーザーやパートナーにとって有用かつユニバーサルなアクセスが可能なコマース体験を築いていく考えです。
ビルのリーダーシップに感謝するとともに、ピンタレストの新たなポジションでの活躍を願っています」
レディは2020年にグーグルにジョイン。コマース部門のプレジデントとして、Eコマース市場シェア首位のアマゾンに追いつくための戦略策定などに尽力した。
それ以前は、米決済大手ペイパル(PayPal)のエグゼクティブバイスプレジデント兼最高執行責任者(COO)など要職を歴任している。
レディ率いるグーグルのコマース部門は、2020年4月にグーグルショッピングへの商品情報掲載を無料化すると発表。
2021年1月には、ユーチューブ(YouTube)上で動画ショッピング(ショッパブル)広告の表示を可能にするなど、マーチャントやユーザーの裾野拡大に貢献する施策を相次いで打ち出した。
また、2021年4月にはバイスプレジデント(ペイメント&ネクストビリオンユーザー担当)のシーザー・セングプタが退社したことに伴い、同部門担当も兼任することとなった。
なお、米CNBCの報道によれば、ピンタレストのトップがシルバーマンからレディに交代したことを受け、同社の株価は6月28日の時間外取引で5%の上昇を記録している。
(翻訳・編集:川村力)