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- RFAによると、北朝鮮では小麦粉の価格があまりにも高いため、パンがステータスシンボルになっているという。
- 小麦粉の価格は1キロあたり約1万8000ウォン(約2700円)と、米の価格を上回っているとRFAは報じた。
- 小麦粉の価格は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で北朝鮮が国境を封鎖し、輸入を停止してから高騰した。
北朝鮮で今、最も人気が高いステータスシンボルは新しいハンドバッグや高級腕時計ではない。パンだ。
ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、北朝鮮では小麦粉の価格がものすごく高くなっているため、パンを食べることが裕福であることの代名詞になっているという。
「輸入小麦を買って、パンやチヂミなどを作ることができるのは最も裕福な家庭です」とある情報筋はRFAに語った。
RFAによると、小麦粉の価格は今、北朝鮮で長らく最も裕福な家庭向けの高級食材と見なされてきた米の価格の3倍で、大半の人々は主にトウモロコシなどを食べているという。
「今みたいに小麦粉の価格が米の2~3倍以上になってしまうと、パンやマンドゥは政府高官やものすごく裕福な人だけが食べられるものになります。だからこそ、小麦粉を使った食べ物は今、富の象徴なのです」と情報筋はRFAに話した。
別の情報筋は、小麦粉は「来客があった時に、見せびらかすために使われる高級食材」だとRFAに語っている。
RFAによると、北朝鮮の小麦粉の価格は2019年には1キロあたり約4000~4600ウォン(約610~700円)だったものの、COVID-19のパンデミックの影響で1キロあたり最高で3万ウォン(約4600円)まで値上がりした。現在の価格は1キロあたり約1万8000ウォン(約2700円)だという。
小麦粉の価格は、北朝鮮が2020年にパンデミックが始まってすぐに国境を封鎖し、輸入を停止してから上がったとRFAは報じている。2022年に入って、国境は一時開かれたものの、中国で再び新型コロナウイルスの感染が広がるとすぐに封鎖されたという。
アメリカ中央情報局(CIA)のデータによると、北朝鮮は食糧不足に直面していて、2022年は86万トン不足すると見られている —— これは必要な食糧の約2、3カ月分にあたる量だ。
「国民の多くが低水準の食糧消費と非常に貧しい食の多様性に苦しんでいる。COVID-19パンデミックの世界的な影響をはじめとした経済的制約によって、国民の食糧難への脆弱性が高まっている」とCIAの『ワールド・ファクトブック』は指摘している。
[原文:A loaf of bread is a sign of wealth in North Korea amid soaring flour prices in the country: report]
(翻訳、編集:山口佳美)