マイナンバーカードで最大2万円相当が手に入る。
撮影:小山安博
マイナポイント事業の第2弾が、6月30日から本格的にスタートした。
これまで事前登録の段階だったが、今後は決済サービスを選択して、ポイントが付与されるようになった。最大2万円相当を獲得できるキャンペーンなので気になっている人も多いだろう。
マイナポイント第2弾の使い方をまとめた。
まずは「マイナンバーカード」を発行
マイナポイントは、マイナンバーカードの普及事業として実施されている。
2020年7月~2021年12月末までは第1弾のマイナポイント事業が行われ、実際に多くの人が利用したようだ。
それでも2022年6月1日までの発行枚数は5660万枚と、人口の半数にも満たない。
マイナンバーカード。こちらは住所氏名の基本4情報が記載された側。公的身分証明書として使える。逆側にはマイナンバーが記載されている。
撮影:小山安博
政府は国民のほとんど全員に行き渡ることを目標としており、さらなる普及を目指して実施されるのがマイナポイントの第2弾だ。
マイナンバーカードの発行だけでなく、マイナンバーカードを利用した公共サービスの利用促進も狙っており、登録には少し手間がかかる。
とはいえ、やり方さえ分かっていれば難しい操作はあまりない。まずはマイナンバーカードが必要だ。取得していない人はまずは居住地の市区町村から発行しよう。
マイナポイント第2弾の対象となるためには、2022年9月末までに申請しなければならないので、なるべく早めに対処したい。
マイナンバーカードの発行には、通常はすでに自宅などに郵送されている「交付申請書」を使う。手元にあれば指示に従ってPC、スマートフォンからのオンライン申請しよう。
交付申請書の見本。
出典:総務省
もし、紛失してしまった場合は、役場の窓口で入手でき、それを使ってオンライン申請ができる。
マイナンバーがわかっていれば、交付申請書をダウンロードして手書きでの郵送申請も可能だが、この場合はオンライン申請はできない。
交付申請をして、役場から交付通知書が届くまで1カ月程度が見積もられている。とはいえ、これは平常時に必要な期間だ。
マイナポイント第2弾の対象となるためには「9月末までの申請」が必須で、この頃になると申請が殺到して交付までにさらに時間がかかる可能性もある。
ポイント獲得のステップは大きく分けて2段階
ポイント獲得のステップは、最初の5000ポイント、その後の1万5000ポイント(7500ポイント+7500ポイント)と大きく2つのステップになっている。
1. 発行だけで5000円相当を付与。ただし、第1弾利用者は対象外
マイナンバーカードが交付されたら、マイナポイント第2弾での5000ポイント獲得の条件が達成される。
ただし、すでに発行済みで、マイナポイント第1弾を利用した人はこの5000ポイントの対象にはならない。
一方ですでにカードを持っていても、マイナポイント第1弾を利用していなければ対象となるので、忘れずに登録しておこう。
2. 健康保険証利用申込と公金受取口座登録で1万5000円相当が付与
次は、「マイナンバーカードの健康保険証利用申込」と「公金受取口座登録」を進める。そのためには、まずはマイナポータルを覚える必要がある。
マイナポータルでは、マイナンバーカードで個人を認証して、対応する行政サービスや行政手続きが利用できる。最初の利用登録やログイン時にはマイナンバーカードが必要だ。
マイナポイント第2弾はこの3つの条件をクリアーすれば最大還元が得られる。
出典:マイナポイント事業 公式サイト
マイナンバーカードに対応したICカードリーダーがあれば、PCでもいいし、スマートフォンでもいい。
スマートフォンはカードリーダー代わりにもなるので、マイナポータルアプリをインストールしておくと便利だ。
iOS 13.1以上がインストールされたiPhone 7以降か、基本的に日本で発売されたNFC搭載のAndroid端末が対応する。数が多いため、対象機種かどうかは公式サイトでチェックしよう。
マイナポータルアプリ。PCでマイナポータルサイトにアクセスしても同様。
画像:筆者によるスクリーンショット
初めて利用する人は、ログインボタンから利用者登録を行う。マイナンバーカードと4ケタのパスワード(利用者証明用電子証明書パスワード)があればすぐに登録できる。
画像:筆者によるスクリーンショット
マイナポータルの利用登録までは説明しないが、マイナンバーカードを使い、カード発行時に「利用者証明用電子証明書パスワード」で自ら設定した4ケタの数字を入力する。
この4ケタの数字は頻繁に使うので忘れないようにしたい。
4ケタのパスワード入力。その後、マイナンバーカードをスマートフォンのNFC/おサイフケータイをタッチする場所に密着させる。
画像:筆者によるスクリーンショット
ちなみに、筆者の「Xperia 1 III」はこのようにかざすという説明だが、位置さえ合っていれば縦横はあまり関係ない。
出典:総務省
マイナポータルにログインしたら、「マイナンバーカードの健康保険証利用申込」と「公金受取口座の登録・変更」の項目があるので、それぞれ選択。
これに登録すると条件クリアーとなり、それぞれ7500ポイントずつが獲得できる。
すでに設定してあったので、健康保険証の登録状況を確認。口座情報の登録状況も、すでに登録してあるので、現在の状況が表示されている。
画像:筆者によるスクリーンショット
最初の5000ポイントの使い方に注意
出典:総務省
第1弾のマイナポイントを受け取っていない人なら、これで最大の2万ポイントが獲得できる。
ただし、発行ポイントの5000ポイントは、第1弾と同じく決済利用額に対する還元であり、買い物などで支払った金額に対して25%のポイント還元となる。
つまり、2万円分の決済をすると、その25%である5000ポイントが還元される、という形だ。
仮にマイナポイント期間中に1000円しか使わなかったら、還元は250ポイントにしかならない。
残高にチャージするタイプの決済サービスでは、そのチャージ金額に対するポイント還元になる。
最初に2万円分のチャージをすれば、最大の5000ポイントが最初に付与されるので、もらい損ねる心配もない。
すでに第1弾を受け取っている人は、カード発行の5000ポイントを除く1万5000ポイントが獲得できる。
この1万5000ポイントは自動付与になるので、選択した決済サービスに直接が付与される。
こちらは決済利用を問わないので、第1弾をもらっていない人なら、まずは2万円をチャージして、5000ポイントと併せて2万ポイントとすればムダがなさそうだ。
チャージ式ではないクレジットカードなどの場合、決済金額の25%+15000ポイントをポイントで付与したり、決済金額の25%+15000ポイントを指定月のクレジットカード引き落とし額から相殺したりする。
扱い方はサービスによって異なるので、公式サイトでチェックしよう。
どの決済サービスを選ぶか? 「一時待機」という手も
マイナポイントアプリを使って決済サービスを選択する。一部の決済サービスでは、自社アプリからの申込にも対応している。
出典:マイナポイント事業
問題は、どの決済サービスを選択するか。
マイナンバーカード発行の5000ポイントと残る1万5000ポイントで、決済サービスを分けることはできず、基本的に選択した決済サービスの変更もできないので、慎重に選びたい。
また、第1弾では対応していた決済サービスの一部が、今回参加していない点にも注意が必要だ。
ただし、総務省では決済サービスは今後も増える見込みとしており、一部「参加を検討中」という事業者もある。特に使いたい決済サービスがあって急がない場合は、カード発行、健康保険証利用申し込みや公金受取口座登録だけは済ませておき、しばらく待機しておく手もある。
決済サービスの登録には、PC、スマートフォンのいずれもマイナンバーカードが必要で、スマートフォンの場合はマイナポイントアプリも必要となる。
スタートしたばかりだからか、アクセスが集中しているらしい。
画像:筆者によるスクリーンショット
まずは4ケタのパスワードから。その後、マイナンバーカードをかざす。スマートフォンを認識してカードの置き方が表示されている様子。
画像:筆者によるスクリーンショット
登録が済んでいれば、ここに選択肢が表示される。第1弾を受け取っているため、「新規取得」は対象外になっている。筆者の場合は、第1弾で選択したau PAYがそのまま表示された。
画像:筆者によるスクリーンショット
初めてであれば、決済サービスの選択画面が表示される。ただし、どちらにしても決済サービスの指定の番号などを入力する。入力する項目は決済サービスによって異なるが、それぞれの公式サイトに説明があるので確認すればいい。
画像:筆者によるスクリーンショット
au PAYの場合、アプリのアカウントに会員ナンバーがあり、コピーして張り付けられる。
画像:筆者によるスクリーンショット
あとは公金受取口座や健康保険証利用に関する規約に同意していけば申込が完了する。
画像:筆者によるスクリーンショット
「Suica」などの交通系IC、「楽天Edy」「WAON」「nanaco」の小売系電子マネー、「au PAY」「d払い」「PayPay」といったQRコード、オリコ、三井住友カード、JCB、クレディセゾンといったクレジットカードなど、対応する決済サービスはマイナポイント公式サイトにあるので、それぞれチェックができる。
いつも使う決済サービスを選ぶのがオススメ
現時点で、マイナポイント第2弾向けのキャンペーンを提供している決済サービスは多くない。
JR東日本のSuicaが独自キャンペーンで抽選で1万ポイントなど、WAONが抽選で1万5000ポイントなど、au PAYが抽選で1000円分を10万人に、といったキャンペーンが用意されている。
決済サービスの選択は、普段最もよく使う決済手段を選ぶといいだろう。
お得さで考えると、今回は大きな差はあまりなさそうだ。普段使いの決済サービスなら、これまで貯めていたポイントと合わせて使えるのでメリットが大きい。
マイナポイントの申し込み期限は2023年2月末までなので、それまでに使いたい決済サービスを決めて、申込をする必要がある。
なお、マイナポイントを申し込んで付与されるポイントや残高などの利用期限は、各決済サービスの規約による。2023年2月末までに使わなければ消滅するというわけではない。
そのため、決済サービスの決定は後日でも構わない。ただ、まずはカードの発行、そして健康保険証・公金受取口座の登録は、早めに済ませておくのがいいだろう。