ダイヤモンドの指輪をしたビヨンセ。
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- ビットコインの価格は年内に2万8000ドルまで回復する可能性があると、ドイツ銀行のアナリストがレポートで指摘している。
- これは、仮想通貨と株価に相関関係があり、S&P500指数が回復するという同行の予測に基づいた見解だ。
- 「ビットコインは、この引き締めサイクルにおけるパフォーマンスによって、独立した資産クラスとみなされるかどうかが試されるだろう」
株価の急落が続く中、ビットコインも一時2万ドルを割り込んだが、年内に2万8000ドルまで回復する可能性があると、ドイツ銀行のアナリストがレポートで指摘している。
仮想通貨としての時価総額が世界最大のビットコインは、ピーク時から70%以上暴落し、さまざまな業界に混乱が広がっている。アナリストの指摘によると、仮想通貨は2022年になって、ナスダック総合指数やS&P500指数との相関が強くなっているという。
ビットコインはデジタル・ゴールドと表現されてきたが、ドイツ銀行によると実際にはダイヤモンドなどの別の資産に近いという。ビットコインと同様に、ダイヤモンドにも固有の価値はないが、ダイヤモンドの採掘・取引を行うデビアス(De Beers)が巧みなマーケティングでその認識を変えたのだという。
「ダイヤモンドに当てはまることは、多くの商品やサービスにも当てはまる。ビットコインもそうだ」
このレポートは、市場全体が混乱し、仮想通貨が巻き返しを図ろうと苦闘し続けている中で発表された。仮想通貨の時価総額は、ピーク時の3兆ドルから、2022年6月13日には1兆ドルを割り込み、それ以来、あまり回復していない。
アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)や世界各地の中央銀行がインフレを抑制するために金利を引き上げたため、仮想通貨は苦境に立たされた。ビットコインは6月最終週に2度、1万8000ドルを割り込んでいる。
「ビットコインは、この金融引締め時のパフォーマンスによって、独立した資産クラスとみなされるかどうかが試されるだろう」とアナリストは述べている。
投資家は仮想通貨市場の底打ちが近いことを期待している。また、ビットコインと株価との相関関係は、下落だけでなく上昇でも関連する可能性がある。
S&P500は年内に4750まで回復するだろうというのが、ドイツ銀行の基本的な考え方だ。アナリストが「さまざまなシナリオ」を検討したところ、ビットコインは年内に2万7000ドルから2万8000ドルに達する可能性があると結論づけた。
「現在の価格から32%上昇することになるが、それでも2021年11月の史上最高値の半分以下だ」
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)