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ウクライナのドローン攻撃の効果が薄れ始めた…ロシアが防衛システムを整備

無人航空機バイラクタルTB2

ウクライナのフメリニツキーにある軍事拠点でテスト中の無人航空機バイラクタルTB2(2019年3月20日撮影)。

Press Office of the President of Ukraine / Mykola Lararenko / Handout/Anadolu Agency/Getty Images

  • ロシアによるウクライナ侵攻の初期には、ドローンの攻撃はウクライナ軍にとって効果的と歓迎されていた。
  • だが専門家によると、ロシア側の防衛システムが改善され、次第に効果が薄れ始めているという。
  • ロシアは自軍の能力を改善しながら、ウクライナ軍のドローンを妨害、撃墜している。

ウクライナでの戦争の初期、ドローンはロシアの侵攻に対する予期せぬ勝因として注目を集めた。

成功の物語が報道を賑わせ、SNSではさまざまな動画が広く配信され、ウクライナのドローンがロシアの無秩序な侵攻にダメージを与える様子が映し出された。

一般的に監視用として使われる小型の消費者向けドローンから、有名なトルコ製バイラクタルTB2ドローンまで、ウクライナのドローンはロシアの戦車や部隊に大打撃を与えた

だがロシアは、ウクライナ侵攻の最初の数カ月間のドローンによる屈辱から学んだ。専門家は、ロシアが防衛システムを改善しウクライナの多くのドローン攻撃を妨害し、撃ち落としており、ドローン攻撃の効果が徐々に薄まってきているとInsiderに語った。

「現在起きていることは、ロシアの電子戦と防空戦が、戦争の初期に比べて、より組織化され機能するようになっていることだ」と、海軍分析センター(CNA)の無人・ロボット軍事システムのアナリスト、サムエル・ベネデット(Samuel Bendett)は述べている。

ロシア軍は、ドローンの認識に早期警戒レーダーを、その通信システムの妨害や破壊に電子戦システムを使用しているとベネデットは述べている。また、ドローンを撃ち落とすために、マシンガンやトール対空ミサイルシステムなどの防空システムを使用しているという。

ロシア国防省が最近公開した動画では、電子戦システムのクラスハ(Krasukha-S4)がウクライナのドローンを破壊したと主張している。

戦略国際問題研究所のアナリスト、マーク・カンシアン(Mark Cancian)によると、当初ウクライナのドローン攻撃が有効だったのは、ロシアが防衛システムを組織できていなかったためだという。

「ドローンが役割を果たせたのは、ロシアが防空システムの構築に時間がかかったためだ。ロシアは戦略に必要な諸兵科(装甲、歩兵、砲兵、偵察、工兵、防空)が連動した作戦システムの構築が遅かった」と彼は語った。

ウクライナの神風ドローンが、ロシアの戦車を攻撃する様子。

ウクライナのドローンが、ロシアの戦車を自爆攻撃する様子。

Screengrab/Ukrainian Special Operations Forces

ロシアは、現在の戦争の焦点が移ってきたドンバス地方において、陸地拠点の防空網をよりよく組織し、配置している。

ウクライナ軍は現在、ドローンの使用を制限している。これはロシア軍が簡単にドローンを妨害しており、ドローンの損失はコストがかかるためだ。

スイッチブレードやフェニックスゴーストなどの使い捨てドローンは1機あたり数千ドルだが、TB2は1機100万ドルから200万ドルだ。

ウクライナは、ロシアの侵攻が始まってから、武器を扱うトルコの企業バイカル(Baykar)からTB2ドローンを約50機受け取っている。TB2は戦争が始まって最初の数日間は容赦ないほどの効果を発揮したが、ロシアによって撃ち落とされ始めたのでウクライナ軍はその使用を縮小している。

先日、アメリカはTB2よりずっと能力の高いジェネラル・アトミックスのMQ-1C「グレイ・イーグル(Gray Eagle)」をウクライナに売る計画だと報道された。

だが、匿名のウクライナ空軍パイロット2名は、最初の任務で撃ち落とされる可能性が高く、1機あたり1000万ドルと高額であることを理由にこのドローンの導入を支持しないとThe War Zoneに語った。

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