Noel Richter
- ドイツを拠点とするホスピタリティ・スタートアップのラウスは、ベルリン近郊にタイニーハウスのキャビンを設置している。
- ラウスでは約2600人の予約を受けており、2022年末までに50カ所でタイニーハウスの客室オープンする予定だ。
- 最も新しいキャビンは48時間以内に満室になった。
5つ星ホテルで他の宿泊客に囲まれて過ごすより、人里離れたタイニーハウスのキャビンで過ごしてみてはどうだろうか
Noel Richter
夏の観光シーズンを前にそう考えている人はあなただけではない
Noel Richter
2021年10月、ドイツを拠点とするホスピタリティ・スタートアップのラウス(Raus)は、ベルリン近郊にレンタルのキャビンを設置し、都市住民に近場で行ける安らぎの場を提供するようになった
Noel Richter
「創業してまだ1年も経っていないが、(レンタルのキャビンに対して)すでに大きな需要があり、何千人もの人が予約している」と、ラウスの共同創業者、ジュリアン・トラウトワイン(Julian Trautwein)はInsiderに語っている
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オフグリッド(電気、ガス、水道などのライフラインを公共事業に依存していないこと)でタイニーハウスをレンタルすることは、宿泊業として目新しいわけではない
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アメリカでは、Getaway HouseやMolivingといった会社がまさにそれを実践しており、標準的なホテルに飽き、都市から離れてのんびりしたい旅行者にアピールしている
Molivingのタイニーハウス
David Mitchell
タイニーハウスを改装したブティックホテルで成功を収めている他のスタートアップと同様に、ラウスもドイツで大きな成功を収めている
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トラウトワインによると、都市近郊でなおかつ孤立した宿泊のスタイルが増えているのは、旅行に対する3つのトレンドが生まれているからだという。それがオフグリッド、サステナブル、近場でのバケーションへの欲求だ
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コロナ禍で多くの旅行者が、混雑した都市から離れて充電するために、人里離れた場所でのバケーションを求めるようになった
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同時に、気候変動が進む中、環境に配慮したバケーションへの人気も着実に高まっている
Noel Richter
Source: Travel Pulse
そして、忘れてはならないのが「費用」の話だ
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物価高と飛行機代やガソリン代の高騰により、最近では近場の旅行先を検討する人が増えている
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だからこそ、ラウスが10カ所で展開しているレンタルのキャビンが大成功を収め、ほぼノンストップでビジネスを進めているのも不思議ではない
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最初のキャビンは社内で設計され、2021年10月に設置された
Noel Richter
それは「過剰」とも言える大反響を呼んだとトラウトワインは言う
Noel Richter
最初のキャビンを設置して以来、すべての施設が95%以上の稼働率を記録している
Noel Richter
2021年10月に最新のキャビンの予約を開始したところ、48時間で予約が埋まった
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トラウトワインによると、現在約2600人が予約待ちのリストに載っているという。Insiderもそれを確認している
Noel Richter
レンタルキャビンの人気が盛り上がるよう、ラウスは2つのタイプを用意している
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1つめのタイプは2名まで、建築会社と共同でデザインした2つめのタイプは4名まで宿泊することができる
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いずれのタイプも、車輪がついており…
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…環境への影響を減らすとともに、ニーズに応じて移動させることができる
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都会から離れたいと思っている宿泊客のために、ラウスはウェブサイト上でそれぞれの施設について、どの程度都市から離れているのか、また「オングリッド」なのか「オフグリッド」なのかを表示している
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Source: Raus
「我々は人々が休暇を取って自らをケアするための場所を作りたかった」とトラウトワインは言う
Noel Richter
持続可能性に配慮して6週間で製造されたそれぞれのキャビンは「体験を感じられるような」宿泊にするために、ブティックホテルのような雰囲気でデザインされている
Noel Richter
宿泊費は1泊160ユーロ(約2万3000円)からで、最低宿泊日数は2泊となっている
Noel Richter
室内にはクイーンサイズのベッドや…
Noel Richter
…外の自然を眺められる大きな窓があり…
Noel Richter
…キッチンには2口のコンロ、冷蔵庫、キッチンツールが備わっていて…
Noel Richter
…バスルームにはシャワーとコンポストトイレを完備している
Noel Richter
小さなデスクスペースもあるので、リモートでの仕事にも対応できる
Noel Richter
夏のバカンスで日光浴を楽しめるテラスもある
Noel Richter
冬には暖炉を使うことができる
Noel Richter
これらの設備をオフグリッドで利用できるように、キャビンにはソーラーパネルと水のタンクが設置されている
Noel Richter
ニューヨークを拠点とするMolivingと同様、ラウスも地域の土地所有者と提携し、キャビンの新たな設置場所を拡大していっている
Noel Richter
Source: Insider
あるキャビンでは、朝起きると歩き回る動物たちの光景を目にするかもしれない
Noel Richter
Source: Raus
また別のキャビンでは、緑豊かな木々に囲まれて目覚めるかもしれない
Noel Richter
オフグリッドのバケーションを重視していることは明らかだが、だからといってアクセスしにくいわけではない
Noel Richter
ラウスのキャビンのほとんどは、ベルリンから2時間以内で行くことができ、都市から離れて時間を過ごしたい人にとって最適な場所になっている
Noel Richter
将来を見据え、ラウスはすでに事業拡大を計画している。これは、まだ若いが勢いのあるホスピタリティのスタートアップにとって必然的な流れだ。同社のレンタル事業はほとんど空きがなく、ずっと先まで予約が埋まっている
Noel Richter
「多くの人が、近場にあり、マインドフルで、持続可能な新しいタイプの旅先を求めている」とトラウトワインは言う。「我々は、それを拡大するべきだと考え、これまでやってきた」
Noel Richter
ラウスは2022年末までに、50カ所でレンタル事業を展開したい考えだ。現在の10カ所から大幅な増加となる
Noel Richter
さらに、海外からの関心も高いことから、近隣諸国への進出も視野に入れており…
Noel Richter
…キャビンの設置だけでなく「ユニークステイ」の展開も検討している
Noel Richter
「単に宿泊施設を提供するだけでなく、自然の中でより没入感のある体験ができる商品やサービスを提供するプラットフォームを構築しているところだ」とトラウトワインは述べていた
Noel Richter
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)
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