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若者・子ども政策を重視している政党は?選挙公約を見比べてみた【#参院選2022】

7月10日に投開票が迫った参院選。新型コロナ対策や円安、デフレに対する経済政策などに加え、各党が掲げる公約の中には「若者・子ども」に特化したものも多く含まれている。

「子育て・教育」政策、優先順位を見てみると…

参院選2022公約ポイント

画像:各党の参院選公約・政策集を元にBusiness Insider Japan作成(タップで拡大画像に遷移します)

「各政党、言っていることはほとんど同じ。だから公約の中で、子育てや教育が何番目に来ているか、その『優先順位』を見るのがおすすめ」と指摘するのは、若者の声を政治に取り入れることを呼びかける団体「日本若者協議会」代表理事の室橋祐貴さんだ。

室橋さんのアドバイスに従い「子育て、教育」というワードが、各政党の選挙公約の何番目に出てくるかを調べてみた。


自民党【2】「未来を創る。」─1.「『新しい資本主義』で、 “強い経済”と“豊かさを実感できる社会”を創る」の9番目「手厚い少子化対策・子育て支援を実現する」

参院選 公約・政策集

画像:自民党「令和4年政策パンフレット」

立憲民主党:【2】「教育の無償化」

参院選 公約・政策集

画像:立憲民主党「2022政策パンフレット」

公明党:【2】「誰もが安心して暮らせる社会へ」─1「全世代型社会保障の構築」の1番目「子育て応援トータルプラン」(また「こども・子育てマニフェスト」を独立して発表)

参院選 公約・政策集

画像:公明党「こども・子育て マニフェスト 2022」

日本維新の会:【1】「出産無償化・教育無償化」

参院選 公約・政策集

画像:日本維新の会「参議院議員選挙2022 重点政策」

国民民主党:【3】「『人づくり』こそ国づくり」の1番目「教育無償化の実現」

参院選 公約・政策集

画像:国民民主党「政策パンフレット」

共産党:【2】「物価高騰から生活を守る ── 弱肉強食の新自由主義を転換して「やさしく強い経済」に ── 日本共産党の五つの提案>」の3番目「年金削減の中止、給食無償化 ─ 経済力にふさわしく社会保障と教育を拡充します」

参院選 公約・政策集

画像:日本共産党「参院選政策」

社民党:【17】「高等教育までの教育費の無償化」

参院選 公約・政策集

画像:社民党「重点政策の解説集 重点政策2022」

れいわ新選組:【5】「大学院まで教育無償・奨学金チャラ」

参院選 公約・政策集

画像:れいわ新選組ウェブサイト

NHK党:【9】「子育て支援・教育」

参院選 公約・政策集

画像:NHK党「NHK党 の公約について」

2016年、18歳選挙権が初めて導入された参院選から6年が過ぎた。この6年間で子ども・若者向け政策という観点からはどんな変化があったのだろうか。

室橋さんはこう語る。

「2016年の参院選は、18歳選挙権が実現してから初めての国政選挙だったので、若者向けの政策が目立って取り上げられていたように思います。

例えば、返済不要の『給付型奨学金制度の創設』や待機児童の解消、最低賃金の引き上げ、幼児教育の無償化などは、6年前の参院選で注目されるようになったテーマだと言えるでしょう。実際にこれらの政策はこの6年で実現もしており、その意味では良い方向に向かったと言えると思います。

そして子育てを支援するための『家族関係社会支出』も上がっています。2014年時点で6.1兆円だった予算が、2019年で9.6兆円まで増えている。

諸外国に比べればまだ少ない水準ではありますが、今までにない規模になってきていることは確かです。政府は若者や子育て支援政策へ大きく舵を切っていくようになりました」

その一方でネガティブな変化について聞くと、「出生率」を挙げる。

出生率はほとんど改善していないどころか、政府の予測よりも早く下がっています。2021年の出生数は81万1604人になり、6年連続で過去最少です。コロナの影響もなくはないとは思いますが、コロナ以前にも大きく改善できてはいませんでした」

7月5日には、元五輪相でもある自民党の桜田義孝衆議院議員が少子化対策をめぐって「女性ももっと男性に寛大になっていただけたら」などと発言したことが報じられ、批判を浴びている。

少子化をめぐる状況については、与党議員らのこうした姿勢についても厳しく問われるべきだろう。

被選挙権年齢の引き下げ、6党が公約に掲げる

参院選2022公約ポイント

画像:各党の参院選公約・政策集を元にBusiness Insider Japan作成(タップで拡大画像に遷移します)

もうひとつ、室橋さんが「子ども・若者政策の争点」というのは、若者の政治参加に関する政策だ。

参院選の投票率は年々低迷しており、前回の参院選では、投票率はついに50%を割り、史上2番目の低さとなった。

参議院議員通常選挙における年代別投票率の推移

参院選における年代別投票率の推移。前回の参院選の20代投票率は約3割。

出所:総務省

特に20代の投票率の低さは顕著で、2019年の参院選の結果を年代別に見ると、20代の投票率は約3割(30.96%)で、60代の半分以下だった。

「若者が自分たち自身で政策を決められるようにならなければ、少子化の抜本的な解決は望めません」(室橋さん)

若者の政治参加に関する政策で目玉となるのは、被選挙権年齢の引き下げだ。現在、1950年に制定された公職選挙法によって、選挙に出馬できる年齢は、参院選で30歳、衆院選で25歳と定められている。

しかし、成人年齢、そして「選挙権」を持てる年齢が18歳に引き下げられたことをきっかけに、議論が高まっている。今回の参院選では、主要政党のうち6党(立憲民主党、公明党、日本維新の会、国民民主党、共産党、NHK党)が公約に掲げ、関心度の高さが伺える。

(取材、文・西山里緒


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