※本記事は、2022年6月5日に公開した記事の再掲です。
Lufthansa Technik
- ドイツを拠点とするルフトハンザ・テクニークは、エアバスA330をベースにVIP用プライベートジェットを製造している。その価格は約3億4000万ドルだ。
- スパ、ベッドルーム、スタンディングシャワー、ダンスフロア、格納式デッキを備えた設計となっている。
- また、ガラスの床を通して、メインデッキの下に配置された「BRABUSアドベンチャーラウンジ」を見下ろすことができる。
ドイツを拠点に航空機の整備・製造・開発を行うルフトハンザ・テクニーク(Lufthansa Technik)は、富裕層向けの未来型VIPキャビンをコンセプトとした航空機を設計している
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
この航空機は「EXPLORER(冒険者)」と呼ばれ、2021年9月のモナコ・ヨットショーで初めて発表された。デザインはオーナーに「自由」をもたらすスーパーヨットからインスピレーションを受けたものだが、「冒険者」のようにさらなる高みを目指しているという
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
スーパーヨットを持っていれば、いつでもどこへでも行くことができ、目的地で宿泊することができる。そのような特権を飛行機でも実現させることが、EXPLORERの目指すところだ
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
「ヨット建造において、多機能なスーパーヨットは今や別格の存在となっている」とルフトハンザ・テクニークのVIP&特殊任務機サービス営業部長、ウィーランド・ティム(Wieland Timm)はプレスリリースで述べている。「そして、そのようなヨットの所有者の多くが、同じような機能を持つ航空機も欲しがっている」
2017年にイタリアで開催されたヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展を観覧するために訪れた富裕層が停泊させたスーパーヨット「ステラ・マリス」。
Awakening/Getty Images
Source: Lufthansa Technik
「しかし、ヨットとは異なり、EXPLORERは、数時間で地球の反対側に移動することができ、乗客がその土地を探索するためのベースキャンプになる」とティムは言う。「これは、まったく新しい可能性を開くものだ」
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
EXPLORERのデモ機がベースとしているのは、エアバスACJ330(A330をベースとするプライベートジェット)だが、A350やボーイング787などのワイドボディ機でも製造可能だという
Airbus/e*m company/P. Masclet
Source: Lufthansa Technik
機内には、豊富な座席とワークスペースが確保された広くて開放的な客室がある。中でも、機体の中央にあるメインラウンジには、大きなテーブルが設置されており、ダイニングや会議室として利用できる
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
その奥には、もうひとつの広々としたラウンジがあり、格納式のテレビ、コーヒーテーブル、ソファ、アームチェアが備え付けられている
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
機体後方にはバスルーム、スタンディングシャワー、ベッドルームが配置されている
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
フルサイズのベッドを配置した3つのベッドルームは、スライドドアで仕切られている
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
同じく機体後方には、大きな窓のある静かな座席もあり、仕事をするのに最適なエリアだ。一方、機体前方には、もうひとつの会議室、化粧室、ギャレー(調理室)が配置されている
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
EXPLORERは12名のVIPが搭乗することを想定しているが、最大47名までの乗客に対応可能な仕様に変更することもできる
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
また、Diehl Aerospaceと共同開発したユニークなプロジェクションシステムも導入される予定だ。これはメインラウンジの天井全体に「バーチャルコンテンツ」を映し出すものだ。コンテンツの内容は、水中や…
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
空…
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
ディスコ…
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
建築などをテーマにしている
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
プロジェクションをオフにしたアイドルモードもある
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
特殊な照明や広々とした空間はすばらしいものだが、スーパーヨットのような航空機にするには、オフィスやベッドルームだけでなく、それ以上のものを組み込む必要がある、というのがルフトハンザ・テクニークの考えだ
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
EXPLORERには、他のプライベート機で見られる一般的なリビング・エリアに加え、いくつかの豪華な部屋がある。例えば、メインラウンジのテーブルを低くすると現れるダンスフロアや…
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
…客席のあるバー…
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
…そして印象的な「BRABUSアドベンチャーラウンジ」などだ
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
このラウンジは、メインデッキの下にあり、チューニングメーカーBRABUSとの共同設計だ
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
ガラスの床を通して、ラウンジが見下ろせるようになっており…
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
…階段を降りると、ラウンジにアクセスすることもできる
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
このラウンジには「宝物のような自動車」や「探究心あふれる乗り物」が展示される。EXPLORERの完成予想図には、限定生産のバイク「BRABUS 1300R」が描かれている
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
また、他に類を見ない設備として、格納式となったオープンエアーのデッキがあり、駐機場の路面から約4メートルの高さにせり出すようになっている。ちょうどヨットに見られるバルコニーのようなものだ
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
このデッキは、A330の貨物ハッチ部分に組み込んだもので、乗客は駐機場でユニークな眺望を楽しむことができる
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
機体の最後方部にはジム設備を備えた多目的エリアがあり、「長距離フライトでもいつものフィットネスやウェルネス設備がないと困る」という乗客が利用できるようになっている
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
このエリアは、スチームルームやマッサージベッドを備えたスパに改装することもできる。さらに、緊急時の病室としても使用できるという
Lufthansa Technik
Source: Lufthansa Technik
A330にEXPLORERのコンセプトを組み込む設計料は、約1億ドル(約127億円)だと、ティムは2021年11月のAviation Weekで語っている
Lufthansa Technik
Source: Aviation Week
この設計料に、A330-200(A330の改良型)の価格を加えると、総費用はなんと3億4000万ドル(約430億円)にもなるが、交渉次第ではもっと安くなる可能性もあるという
Lufthansa Technik
Source: Simple Flying
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)
注:この記事のリンクを経由して製品を購入すると、アフィリエイト契約により編集部が一定割合の利益を得ます。