アメリカではオミクロン株のBA.5系統が主流になってきている。
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- オミクロン株のBA.5系統が、アメリカにおけるCOVID-19の主流となっている。
- CDCの新しい推計によると、感染例の約54%がBA.5であることが分かった。
- この夏、アメリカでは感染例と入院患者者数が急増している。
アメリカ疾病予防対策センター(CDC)の新しい推計によると、新型コロナウイルスのオミクロン株のBA.5系統が、アメリカを悩ませているCOVID-19感染拡大で支配的な株となっているという。
CDCは2022年7月5日に新しい推定値を発表し、前週に記録されたCOVID-19新規感染の53.6%がBA.5であったことを示した。一方、BA.4系統は新規感染者の16.5%を占めており、7月2日までの1週間にアメリカで記録されたCOVID-19感染者の70%以上がこれら2つによるものだったことになる。これらの数字から、BA.5は最近再び急増しているCOVID-19の主な要因であると考えられる。
ニューヨーク・タイムズのCOVID-19症例追跡サイトによると、7月4日の時点で1週間の新規感染の1日平均は10万5754件で、2週間前で10%増加している。また、入院患者は12%増えて1日平均3万3953人、集中治療室への入院は11%増加し、1日平均3793件に達している。
オミクロン株のBA.4とBA.5は、COVID-19ワクチンや過去の感染によって得られるウイルスに対する防御を回避することができる変異を持つことが知られている。
アメリカ食品医薬品局(FDA)は6月30日、BA.4とBA.5に対する防御を意図した追加ワクチンを承認し、秋から冬に向けてこれらの接種を展開することを検討していると発表した。
FDAの生物製剤評価研究センターのディレクターであるピーター・マークス(Peter Marks)は、6月30日に発表された声明の中で、FDAはワクチンメーカーに「現在のワクチン組成にオミクロンBA.4とBA.5のスパイクタンパク質成分を追加する」ように助言していると述べた。
「秋から冬にかけて、COVID-19の最も深刻な結果を防ぐために、流行している変異株や出現した変異株に対する防御を提供できる、安全で効果的なブースターを用意することが重要だ」とマークスは述べている。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)