銀行員の私用スマホ監視アプリ「ムビアス」に米ウォール街で不安広がる。開発企業CEOに聞いた「機能の核心」

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金融機関従業員の個人携帯端末、とりわけ許可されていないメッセージングアプリ経由のコミュニケーションが問題となっている。

Michele Ursi/Shutterstock.com

ある問題を解決しようとテクノロジーを導入してみたら、別の新たな問題が発生したというのはよくある話。ただ、世界金融の屋台骨とも言える米ウォール街が、いまそのジレンマに直面しているとなると、問題は深刻だ。

大手金融機関の従業員たちが、個人の携帯端末にダウンロードしたワッツアップ(WhatsApp)やシグナル(Signal)、テレグラム(Telegram)などメッセージングアプリを使って業務上の連絡を行っていたことについて、規制当局は最近、重大かつ深刻な問題と指摘。

指摘を受けた金融機関側も解決を急ごうと目下躍起になっている。

米証券取引委員会(SEC)は、インサイダー取引など不正行為の発見・摘発につなげるため、従業員による業務上のすべてのやり取りを記録するよう金融機関に義務づけており、近年も違反を厳しく取り締まってきた。

最近も、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)とクレディ・スイス(Credit Suisse)が、トレーダーやディールメーカーの使う個人携帯端末100台あまりを提出するよう命じられたとの報道があったばかりだ(ブルームバーグ、5月18日付)。

英フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)によれば、クレディ・スイス在籍30年のベテラン従業員が、不適切な情報漏洩が確認されなかったにもかかわらず解雇されるなど、すでに処分者が出ている。

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