安倍元首相
Twitter/@AbeShinzo
【UPDATE】奈良市内で参院選候補者の応援演説中に銃撃された自民党の安倍晋三元首相が、7月8日午後5時3分に死去した。搬送先の奈良県立医科大学附属病院が会見で発表した。
病院側によると安倍元首相は救急搬送時には既に心肺停止の状態で、止血や大量の輸血とともに蘇生処置に取り組んだが午後5時3分に死亡が確認された。死因は失血死とみられるという。
会見の中で病院側は「頸部に2カ所の銃創(銃による傷)があった。心臓にまで達する傷だった」「手術時に弾丸は確認できなかった」とした。(2022/07/08 18:35)
自民党の安倍晋三元首相が7月8日午前11時半ごろ、奈良県奈良市の大和西大寺駅近くで参院選候補者を応援する街頭演説中に銃撃された。奈良県警は職業不詳の男(41)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕し、所持していたと見られる銃を押収したという。
NHKは現地で取材していた記者の情報として「血を流していて、銃声のようなものが聞こえた」と報じた。また、消防からの情報として心肺停止の状態と見られることを伝えた。
朝日新聞は「安倍氏は背後から2発、散弾銃のようなもので撃たれた」と伝えた。
この日、安倍氏は参院選候補者の応援演説のため羽田空港から大阪入り。奈良、京都、その後に埼玉へと遊説する予定だった。
襲撃事件の直前、演説中の安倍元首相。
AKENOBU NAKAJIMA via REUTERS
襲撃される前、安倍元首相が演説会場入りした様子。
REUTERS/TWITTER @MAKICHANMAN37
襲撃される前、安倍元首相が演説会場入りした様子。
REUTERS/TWITTER @MAKICHANMAN37
襲撃される前、安倍元首相が演説会場入りした様子。
REUTERS/TWITTER @MAKICHANMAN37
襲撃される前、安倍元首相が演説会場入りした様子。
REUTERS/TWITTER @MAKICHANMAN37
松野官房長官「このような蛮行は許されず断固非難」
松野博一官房長官は8日午後12時50分頃に首相官邸でぶら下がり取材に応じた。発言要旨は以下の通り。
- 被疑者の身柄は確保した。
- 容態は現在のところ不明。確認中。
- 午後11時45分、官邸危機管理センターに官邸対策室を設置した。
- 遊説中の岸田首相には直ちに報告。首相は緊急に東京へ戻る。応援演説で各地を遊説中の閣僚にも東京へ戻るように指示した。
- いかなる理由であり、このような蛮行は許されず断固非難する。
岸田首相「民主主義の根幹である選挙中に起きた卑劣な蛮行」
内閣広報室
岸田文雄首相は8日午後2時50分頃に首相官邸で記者団の取材に応じ、以下のようにコメントした。
今、懸命の救急措置が行われていると承知をしている。まずは安倍元総理がなんとか一命をとりとめていただくよう心より祈りたい。
今回の犯行の背景についてはまだ十分把握できていないが、いずれにせよ民主主義の根幹である選挙がおこなれている中で起きた卑劣な蛮行であり、決して許すことはできないと思っている。最大限の厳しい言葉で非難する。
政府としては今後あらゆる自体を想定し対応できるよう万全の対応をしていきたい。今、懸命の救命措置が行われている最中なので、今後の政局に与える影響は触れるべきではないし、そうしたことは考えていない。
実弟の岸防衛相「回復されるよう祈っている」
安倍元首相の実弟である岸信夫防衛相は8日午後4時頃に報道陣の取材に応じた。
岸氏は事件について「民主主義に対する冒涜だ。参院選の最中に暴力によって言論の弾圧が行われることはあってはならない。断固非難する。ぜひとも回復されるように祈っている」と述べた。
与野党の各党幹部「絶対に許されない」「恐るべき蛮行」
選挙中の国会議員を銃撃するという民主主義の根幹を揺るがす凶行に対し、与野党問わず非難の声と安倍元首相の無事を祈るコメントが寄せられた。(詳細はこちら▼)
安倍元首相が死去、搬送先の病院が会見
奈良市内で参院選候補者の応援演説中に銃撃された自民党の安倍晋三元首相が、7月8日午後5時3分に死去した。搬送先の奈良県立医科大学附属病院が会見で発表した。
病院側によると安倍元首相は救急搬送時には既に心肺停止の状態で、止血や大量の輸血とともに蘇生処置に取り組んだが午後5時3分に死亡が確認された。死因は失血死とみられるという。
会見の中で病院側は「頸部に2カ所の銃創(銃による傷)があった。心臓にまで達する傷だった」「手術時に弾丸は確認できなかった」とした。
事件現場にはたくさんの花が手向けられている。
REUTERS
岸田首相「良き友人だった」「自由で公正な選挙は絶対に守り抜かなければ」
安倍元首相の死去を受けて、岸田首相は午後7時前に報道陣の取材に応じた。
「どうか一命をとりとめていただきたいと祈っていたが、祈りも虚しくこうした報に接することになってしまった。誠に残念で言葉もありません。心よりご冥福をお祈りしたい」
「民主主義の根幹たる選挙が行われている中、安倍元総理の命を奪った卑劣な犯行が行われた。断じて許せるものではなく、最も強い言葉で改めて非難する」
岸田首相は安倍元首相とは同期当選組だ。岸田首相は以下のように哀悼の意を示した。
「同僚議員として、安倍内閣を支える一閣僚として多くの時間を共にした良き友人でもあった。この国を愛し、常に時代の一歩先を見通し、この国の未来を切り開くために多くの実績を様々な分野で残した偉大な政治家を、こうした形で失ってしまったこと、重ね重ね残念でならない」
その上で「民主主義の根幹である自由で公正な選挙は絶対に守り抜かなければならない。決して暴力に屈しないという断固たる決意のもと、明日は予定通り選挙活動を進める」「選挙戦の最後の瞬間までそのことを自分の声で直接国民の皆さんに訴え続けたい」と述べた。
奈良県警、凶器は「手製の銃」
奈良県警本部は8日夜9時半ごろから会見を開いた。
会見によると、容疑者はある特定の団体に恨みがあり、安倍元首相がこれと繋がりがあると思い込んで犯行に及んだという趣旨を供述し、逮捕容疑を認めているという。犯行に使われた凶器は全長40センチ、高さ(幅)20センチの「手製の銃」だと判断したとしている。今後、容疑を殺人未遂から殺人容疑に切り替え、さらに詳しい経緯を調べる方針。
※最新の情報が入り次第更新します。
※最新の情報に更新しました(2022/07/08 22:05)
(文・吉川慧)