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ファイナンシャルプランナーが警告「お金のやりくりが崩壊している人の3つの共通点」

※本記事は、2022年5月30日に公開した記事の再掲です。

マリク・S・リー氏

著者のファイナンシャル・プランナー、マリク・S・リー氏。

Martine Beher Photography

ソーシャルメディア全盛の時代には、経済的自由を簡単に手に入れるコツを教えてくれるマネーのプロやインフルエンサーがたくさんいる。

経済的な豊かさを維持するうえで最も大切なことは、非常にシンプルだ。それは、あなた自身が決めた予算を守ることである。

これは簡単に聞こえるかもしれないが、予算を守ることは物理的にも精神的にもそう単純ではない。だが、テクノロジーの進歩により、予算管理に役立つ家計簿アプリも登場し、この手間のかかるプロセスが大幅に改善されている。

自分の予算をきちんと管理することは、最初の一歩に過ぎない。予算管理を続けることが大切なのだ。私はファイナンシャルプランナーとして、予算管理における落とし穴を何度も目の当たりにしてきた。

それが次の3つだ。順に解説していこう。

1. 衝動買いをやめられない

大部分の人は予算計画を立て始めるとき、まず資金を大きく「自由に使えるもの」と「そうでないもの」、つまり「欲しいもの」と「必要なもの」に分ける

人によってはこのどちらか一方が予算の大部分を占めたり、予算を超えたりする。アメリカ人の多くは緊急時に必要な1000ドルさえ捻出できないケースもある。

予算を無視したり、生活費が足りなくなるきっかけは、衝動買いであることが多い

衝動買いとは、無意識で気の向くままに商品やサービスの購入を決定してしまうことだ。これは、その日暮らしをしている多くの人に関わる厄介な問題である。

なぜなら、衝動買いには予算不足のストレスを和らげるドーパミンを出す効果があるからだ。また、買い物は寂しさを紛らわしてくれるという調査結果も数多く発表されている。

とはいえ、衝動買いの誘惑から完全に逃れられる人はいない。

例えば、大手生命保険会社のマスミューチュアルが最近行った調査によると、アメリカ人が2021年の夏に1カ月あたりに使った金額は、2020年の夏よりも765ドル多かった。

もちろん、パンデミック後で経済活動が再開に向かっていた時期だったという意見もあるだろう。だがこうした支出の一部は、コロナ禍で長く自宅に閉じ込められていた反動による衝動買いだとも言える。

では、衝動買いに打ち克つにはどうすればいいか。買う前にあえて時間を置く、自分がお金を貯めるにあたっての短期的・長期的な目標を思い出す、ネットショッピングを避ける、などは有効な手段である。

2. 自由に使えるお金を日々きちんと管理していない

自由に使えるお金の使い道には、不要不急の項目が含まれ毎月変わる。その項目は、レストランに行ったり、趣味や娯楽に使ったり、バケーションやプレゼントに支出したりとさまざまだ。

私のもとに相談に来るお客様と一緒に予算を見直していると、この枠内でいくら使ったかを見てあぜんとする人が実に多い。

過去3カ月分の預金通帳を見ると、自由に使えるお金の影響がよく分かるだろう。実際の使い方と本来予定していた使い方を比較すると、その金額差にびっくりするかもしれないが、やってみる価値はある

マネーのプロの多くは、「50対30対20」の基本ルールを守ることを勧める。このルールは、収入の50%を光熱費や住居費、食料品などの固定費や生活必需品、30%を自由に使えるお金、残り20%を緊急時の資金、年金や学資保険の掛け金などの貯蓄にあてるというものだ。

これは確かに良い法則だと思うが、多くの人には予算計画を立てるときにもっと細かい手引きや指示が必要だろう。支出項目が同じ人などいないし、欲求やニーズは人それぞれだからだ。

そこで私がお勧めする方法は、予算計画を立てるときにまず貯金額を決めてから住居費、車と割り振っていくことだ。

この「トップダウン・アプローチ」という運用手法により、自分が受け取る資金をまず確保したうえで、多くの人にとっての2大支出である住居費と車に資金を割り当てられる。それから自由に使えるお金に予算を回すのだ。これが、予算を守るほぼ確実な方法である。

3. 「ライフスタイル・クリープ」の罠に陥り、自分の資金管理を見直さない

私は、労働した分の対価は享受すべきだと考えている。だが、収入が上がるたびに生活水準を引き上げる「ライフスタイル・クリープ」は際限がないため、ほどほどにしたほうが良いだろう。

ライフスタイル・クリープを避ける良い方法は、少なくとも半年に一度は自分の予算を見直すことだ。商品やサービスに支払っている価格が適切かを確認しながら、より高価で質の高い物を買っていないかどうかをチェックすることで、ライフスタイル・クリープが入り込む誘惑を抑えることができる。

こうしてお金の使い方を見直し、ライフスタイル・クリープを回避することこそ、私のお客様の中で最も成功している人たちが行っている習慣なのだ

[原文:As a financial planner, I constantly see people's budgets fall apart for 3 reasons

(翻訳・長尾莉紗/LIBER、編集・小倉宏弥

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