心が辛くなったら、テレビやスマホから離れて。
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7月8日昼、自民党の安倍晋三元首相が奈良県奈良市での街頭演説中に銃撃され、その後午後5時3分に死亡が確認されました。
事件があった8日昼ごろから、テレビや新聞などのメディアによる報道が続いています。SNS上にも、多くの情報が溢れています。
安倍元首相が銃撃を受けたシーンの映像も繰り返し流されており、ふとした瞬間に目に入ってしまいます。日常生活の中では目にすることのないような衝撃的な映像を前に、思わず心が不安になってしまう人も多いのではないでしょうか。
日本を揺るがす大事件であることも考えると、報道そのものは必要なものでしょう。一方で、こういった衝撃的な事件に関わる報道は、読者・視聴者のみなさんの心に負担をかけてしまうものでもあります。
ニュース報道やSNSなどを見ていて不安を感じたり、つらい気持ちになったりした人は、テレビやスマートフォンなどのメディアから一度離れてみてください。
日本トラウマティック・ストレス学会では「惨事報道の視聴とメンタルヘルス」という資料の中で、辛い状況を伝える報道との関わり方に関する注意点を公開しています。
以下、資料から報道との関わり方に関する注意点を引用します。
大人、子ども両方に注意してほしいこと
●惨事報道の刺激は必要最小限にしましょう
・惨事報道に接した量と心理的反応が比例することが知られています。
●同じ内容の惨事報道を繰り返し見ないようにしましょう
・繰り返しの視聴は、ストレス反応を高めることが知られています。
●衝撃的な映像の視聴を避けましょう
衝撃的な映像は、ストレス反応を高めることが知られています。
●「ながら見」は控えましょう
「ながら見」で不用意に惨事報道にさらされて、過剰な刺激となるリスクがあります。
●トラウマの体験者や精神疾患を抱える人は、惨事報道によって不調になりやすいです
惨事報道を見ることで、過去のトラウマ体験への反応や現在の苦しみが高まることがあります。
子どもに対して注意してほしいこと
●子どもの年齢と発達を考えて、惨事報道との距離の取り方を決めましょう
子どもは、成人と比べて、安全・安心への不安がより高くなります。
●子どもの惨事報道の視聴時間を親が制限しましょう
頻回の視聴は、ストレス症状を高めることが知られています。
●子どもが、トラウマティックな内容に不用意に曝されないようにしましょう
子どもの年齢と発達に応じて、大人が管理し、衝撃的な内容が子どもの目に触れないようにしましょう。
(文・三ツ村崇志)