スリランカのラジャパクサ大統領。
Andy Buchanan - Pool/Getty Images
- スリランカのゴタバヤ・ラジャパクサ大統領は、飛行機で国外へ脱出しようとしたところを阻止された。
- 7月9日には、群衆が大統領の公邸に侵入、占拠した。
- ラジャパクサ大統領は、スリランカ経済を生活必需品が買えなくなるほどまでに破綻させたと非難されている。
スリランカのラジャパクサ大統領は7月12日、飛行機で国外へ脱出しようとしたところを阻止された。空港の出入国管理職員が大統領の脱出に手を貸すことを拒否したという。
スリランカ経済を破綻に追いやったと非難されているラジャパクサ大統領は7月9日、群衆が大統領公邸に侵入してくる直前にその場を離れ、ドバイ行きの飛行機に乗ろうとしていたとAFP通信は報じた。
ただ、大統領が空港に到着したところ、空港の出入国管理職員はVIPスイートに入って、大統領のパスポートにスタンプを押すことを拒否したという。ラジャパクサ大統領は空港にいた人々から嫌がらせをされたり、襲われたりするのを恐れて、他の乗客に混ざって手続きすることを避けたようだとAFP通信は伝えている。
その結果、大統領夫妻はアラブ首長国連邦行きのフライトを4便逃したという。
スリランカの首都コロンボでは、物価上昇などに端を発した政権への抗議活動が広がり、ラジャパクサ大統領は7月13日に辞任する意向を示していた。7月9日には抗議活動に参加していた数千人が大統領公邸に侵入、占拠した。
当局が大統領公邸に残されたスーツケースを押収したところ、文書や1800万ルピー(約680万円)近い現金が入っていたとAFP通信は報じている。
ブルームバーグによると、ラジャパクサ大統領の弟バジル・ラジャパクサ元財務相も、空港で出入国管理職員から同じような扱いを受けた。
元財務相が国を脱出しようとしていると聞いた職員は、出国手続きを拒否し、国に残るよう要求したという。
ある空港職員は、他の乗客たちが「バジルが同じ飛行機に乗ることに抗議」し、元財務相は搭乗を阻止された後、「慌てて空港を去った」とAFP通信に話している。
AFP通信によると、大統領と元財務相は海軍の船を使ってインドやモルディブに出国することがまだ可能だという。
(翻訳、編集:山口佳美)