BMWは一部の国で、シートヒーターやハンドルヒーター、クルーズコントロールのサブスクリプションを開始する。
BMW
- BMWは、ヒートシーターのサブスクリプションサービスを一部の国で開始する。
- 現在のレートでは月額約18ドル(約2480円)だ。
- 同社はこれらのサブスクリプションサービスで、年間数十億ドルを売り上げる見込みだ。
自分がBMW5シリーズの新車のオーナーだと想像してほしい。ある寒い日の朝、この高級セダンのシートヒーターをオンにしても、何も起こらない。冷え切ったあなたのお尻に安らぎはないのだ。
このようなシーンはありえないことではない。BMWは、シートヒーターやその他のベーシックな機能のサブスクリプションサービスを一部の国で開始する。工場から出荷される時点ですべてのハードウェアがついていたとしても、支払いを行わないオーナーは利用できない。
これは、自動車メーカーが自社の車のソフトウェアからより多く売上を上げようとする中で生まれたものだ。メーカーはサブスクリプションやそれに類似したサービスを通して、自動車を製造、販売された後でも安定した売上(年間数百億ドルともいわれる)を継続的に生み出そうとしている。
複数の自動車情報サイトが先日、韓国のBMWのサイトで、シートヒーターとハンドルヒーターの月額サブスクリプションサービスが表示されていることに気づいた(その後削除されたようだ)。The Vergeは、ドイツ、イギリス、南アフリカ、ニュージーランドでBMWのオーナー向けメニューにこれらの機能を確認した。
シートヒーターの価格は月額約18ドル(約2480円)で期間は1年、3年、無期限から選択できる。ハンドルヒーターは、月額約10ドルから12ドル(約1380円から1655円)だ。BMWの別のサブスクリプションの価格は、ヘッドライトのオートハイビームが月額12ドル、車線維持支援機能付きアダプティブクルーズコントロールは月額42ドル(約5795円)だ。
サブスクリプションサービスの開始時期については、BMWから回答は得られなかった。
自動車は以前よりもさらにコンピューターで制御されるようになり、インターネットに接続されている。つまり、自動車メーカーは車の機能をリモートで追加、解除、さらにはアップデートも可能で、車を近代的かつ人気のある状態にできるだけ長く保つことができる。その代わりに自動車メーカーはオーナーに対して高額の料金を請求するのだ。
レクサス(Lexus)、トヨタ(Toyota)、スバル(Subaru)などもオーナーに対して、アプリを通して遠隔でロックしたり、エンジンをかけたりできる機能を有料で提供している。キャデラック、シボレーの一部の車で利用できるハンズフリー走行機能「スーパークルーズ」は月額25ドル(約3450円)だ。遠隔でのソフトウェアアップデートの先駆者であるテスラは、最新の運転支援システムで月額199ドル(約27470円)を請求している。
このトレンドは、利用客の反発を引き起こしている。BMWはアメリカでアップル(Apple)のCarPlayに月額80ドルを請求する計画を反発を受けて断念した。自動車メーカーが顧客は何にお金を払ってもよいと考えているのかを理解するまで、このような軋轢が度々生じるかもしれないと専門家は述べている。
「何が本当に求められいるのか、興味深い駆け引きを見ることになると思う」と、JDパワーの自動車業界アナリストのクリスティン・コロッジ(Kristin Kolodge)は以前Insiderに語っている。
[原文:BMW is now charging $18 per month for heated seats in some countries]
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)
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