ニューヨークの建物に残る放射性降下物シェルターの標識。
Spencer Platt/Getty Images
- ニューヨーク市は、核攻撃が受けた際に生き残る方法を市民に伝えるビデオを公開した。
- ビデオは、核弾頭が爆発した後に何をすべきかを段階的に説明している。
- エリック・アダムス市長は、ウクライナでの戦争のこともあり、「積極的な一歩」だと述べた。
ニューヨーク市民に対して核攻撃への対処法を教えるビデオがYouTubeで公開された。エリック・アダムス(Eric Adams)市長は、ウクライナでの戦争のこともあり、これを「積極的な一歩」と表現した。
市の危機管理局が2022年7月11日に公開したビデオでは、核攻撃を生き延びるための方法が段階的に説明されている。
このビデオは、ソーシャルメディア上で混乱を引き起こした。特になぜこのタイミングで公開したのか、不安の声が上がった。しかし、アダムスは12日の記者会見で、この公共広告のビデオについて「不安をあおっている」わけではなく、「用心するに越したことはないと思っている」と弁解した。
市の危機管理局が「ウクライナの攻撃の直後」に「非常に積極的な一歩」を踏み出してビデオを制作したと市長は述べ、このビデオには「備えよう」というメッセージが込められていると付け加えた。
また、アダムスによるとニューヨーク市は依然としてテロリストの最重要ターゲットであるという。「我々が知る限り、市に差し迫った危機はないが、ニューヨーカーとして常に備えをしておかなければならない」
このビデオは、ニューヨーク市民が核攻撃から生き残る可能性を高めるために実行できる3つのステップについて概説している。
まず「核攻撃があった」と言いながら登場する人が、「どうやって、なぜということは聞かないで。とにかく大型のものが打ち込まれた」と続ける。
そして核攻撃があった場合、次の3つのガイドラインに従うようアドバイスしている。
- 素早く建物の中に入る。車の中にいてはいけない。
- 屋内にとどまり、すべてのドアと窓を閉め、可能であれば地下室に入る。そしてすぐに服を脱ぎ、体をきれいにする。
- メディアからの最新情報を確認する。ニューヨーク市民は、当局が送信するワイヤレス緊急警報を受信できるよう登録することを勧める。
ニューヨーク市のウェブサイトには「ニューヨーク市内/近郊で核兵器による攻撃が発生する可能性は極めて低いが、ニューヨーク市民が安全を保つための手順を知っておくことは重要だ」と記載されている。
このガイドラインは、災害や攻撃への対応方法について国民を啓発することを目的としたアメリカ政府による公共広告キャンペーン「Ready.Gov」が示したガイドラインと同じ内容になっている。
ただし、Ready.Govは、核爆発によって携帯電話サービス、テキストメッセージ、テレビ、インターネットサービスが中断される可能性があると指摘し、代わりに使える機器としてバッテリーまたは手回し充電式のラジオを挙げている。
Insiderはニューヨーク市危機管理局にコメントを要請したが、回答はまだ得られていない。
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)