ほぼ「Pro」。新型「MacBook Air」最速実機レビュー…7月15日発売

新MacoBook Air

7月15日に発売される新MacBook Air。カラーはミッドナイト。

撮影:西田宗千佳

世界で最も人気のあるMacは「MacBook Air」だそうだ。そのMacBook Airが、2008年の初代モデル登場以来、最大のリニューアルをとげた。

7月15日に発売される新しいM2搭載MacBook Airを、使い勝手・ベンチマークの両面でチェックしてみた。

なお、レビューで試用したMacBook Airは、Apple M2(8コアCPU/10コアGPU)、メモリー16GB、ストレージ1TBで、直販価格は26万4800円(税込)のカスタマイズモデルとなる。

美しい「黒いMacBook」、でも……

カラーバリエーション

アップル公式ページより抜粋。カラーバリエーションはシルバー・スターライト・スペースグレイ、そしてミッドナイトの4色。

出典:アップル

新しいMacBook Airの最大の魅力はデザインだ。今回テストしたのはミッドナイトのモデルで、このほかにシルバー、スターライト、スペースグレイの3色がある。

ミッドナイトは深夜の空をイメージした「ほとんど黒に近いくらいに濃い青」で、非常に良い色合いだ。

カバー

パッケージから出した時には、ロゴを保護するかのように丸く印の入った紙製のカバーで覆われている。

撮影:西田宗千佳

天板の色

ロゴの入った面。カラー「ミッドナイト」はかなり濃い青で、黒に近いが色味がしっかり入っている。

撮影:西田宗千佳

Macにはいくつか「黒い」製品はあり、筆者も過去に「黒いMacBook」を愛用していたことがある。

また、他社のPCでも黒はよくある色だ。しかしミッドナイトのMacBook Airは、それらともちょっと違い、非常に印象的な色あいに感じられる。

ミッドナイトが特に映えるように感じるのには、アップルが2021年に発売された製品から、新しいデザインテイストへと移行していることと無関係ではないだろう。

2000年代後半から2020年までのMacは、角になる部分の厚みを絞って薄く見せるデザインを多用してきた。

2008年に発売されたMacBook Airはその代表格で、MacBook Proなどもそれに近い、グッと角のアールが大きい形状だった。

13インチMacBook Proと比較

13インチMacBook Proと比較。実は厚みはほぼ同じだが、これは丸い「足」の部分があるため。スクエアな新MacBook Airと丸みがあるMacBook Proは印象が異なる。旧MacBook Airでも同様の印象を受けるだろう。

撮影:西田宗千佳

それに対し、2021年の「iMac」「MacBook Pro(14インチ/16インチ)」からは、よりスクエアなボックス形状に近いデザインになり、キーボードも、ファンクションキーまで縦の幅が同じ形状のものへと変わっている。

キーボード比較

左が14インチMacBook Pro、右が新MacBook Air。キーボードのサイズはほぼ同じであるのがわかる。

撮影:西田宗千佳

その結果、全体のイメージはずいぶん変わった。MacBook Airのミッドナイトは、キーボードの色も含め、かなり新しいデザインにマッチしていると感じる。

良い見栄え

キーボードと本体の色味とマッチして、かなり良い見栄えだ。

撮影:西田宗千佳

ちょっと気になるのは、濃くて目の細かな艶消し仕上げであるため、指の脂などが付くと色が変わって見えることだ。

微妙な色あいであるだけに、普通の黒よりも目立つ印象がある。ここが気になるなら、別の色を選んだほうがいい。もちろん、拭けばすぐに消えるものだし、光沢仕上げのボディほどは目立たないのだが……。

汚れ

あえて指のあとをつけて撮影。指先の脂などが残りやすいので、こまめに拭きあげる方がいい。この手間を避けたいなら、別の色をオススメする。

撮影:西田宗千佳

なお、キータッチも14インチMacBook Proとほぼ同じだ。この種のキーボードとしては良好なタイプ感と言える。

ディスプレイは「メニューの分広くなった」

機能面でも、新しいデザインのMacBook Airはいくつもの変更が行われている。

1番の違いは「ディスプレイ」と「カメラ」だ。

ディスプレイは13.6インチへと、若干大型化した。これは、ディスプレイ上部のカメラ部に「ノッチ」をつけ、周囲まで画面を広げたことによるものだ。

とはいえ、2021年モデルのMacBook Airと比較した場合、画面の大きさは縦に64ドットしか変わってない。

ノッチの部分が隠れている、というより、「メニューバーをカメラの横に配置できるようになって、ちょっとだけ画面を広く使えるようになった」という感覚に近い。この辺は、2021年発売の14インチ/16インチMacBook Proと同様である。

画面比較

左が13インチMacBook Pro、右が新MacBook Air。2020年までに設計された世代の製品と異なり、ノッチがあってその分画面が上に伸びている。

撮影:西田宗千佳

14インチと比較

左が14インチMacBook Pro、右が新MacBook Air。どちらもデザインテイストは同じだが、画面はMacBook Proの方が一回り大きい。

撮影:西田宗千佳

カメラは1080P対応になり、従来のMacBook Air向け(720P対応)よりも画質が大幅に上がっている。こちらも14インチ MacBook Proとスペックは同等で、画質にも極端な差はないように思える。

「MagSafe 3」採用で拡張性は実質向上

MagSafe 3とUSB

本体左側奥。電源専用のMagSafe 3がついたので、充電しながら使う場合、実質的にUSB Type-Cが1つ増えた格好になる。

撮影:西田宗千佳

電源に「MagSafe 3」が採用されたのも、14インチ/16インチMacBook Proに合わせた変化だ。

USB Type-Cからも充電できるので必須ではない。だが、USB Type-C端子自体を充電の役目から解放できるのが大きい。

USB Type-Cの数自体は、従来モデルも新モデルも「2つ」で変わりはないのだが、実質的に、インターフェースが1つ増えた格好になる。

左にUSB Type-Cが2つ、右にヘッドホン端子という構成は今までと同じだが、MagSafe 3が増えた、と考えればいいだろう。

ヘッドホン端子

本体右側。ヘッドホン端子のみがあるのは、これまでのMacBook Airと同じだ。

撮影:西田宗千佳

なお、今回試用したモデルには、新しい電源アダプターである「デュアルUSB-Cポート搭載35Wコンパクト電源アダプタ」が付属していた。

形を見ればわかるように、USB Type-Cポートが2つあり、それぞれに機器をつないで充電できる、というものだ。

「デュアルUSB-Cポート搭載35Wコンパクト電源アダプタ」とMacBook Air用の充電ケーブル

今回の試用モデルに付属していた「デュアルUSB-Cポート搭載35Wコンパクト電源アダプタ」と、MacBook Air用の充電ケーブル。

撮影:西田宗千佳

動作はシンプルで、1つの端子につないだ場合には「1つの機器に最大35W」、2つ別々につないだ時には「それぞれに最大17Wずつ」供給されるようになっている。

どちらの端子が優先、という話もない。出力は大きくないがコンパクトなので、「スマホ・Macと一緒に持ち歩く」には向いていそうだ。

なお、MacBook Air自体は、アップル純正の「96W USB-C Power Adapter」にも対応しており、67W・96Wのアダプターではより高速に充電ができる。

67Wアダプターについては、アップル直販サイトでの購入時にセットとして選ぶことも可能だ。

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