本記事の著者であるレベッカ・チャマア氏。
Courtesy Rebecca Chamaa
- 私の父は極端に質素で、母は自分が楽しんだことに費やすのが好きだった。
- 彼らは両方とも人生で必要なものを手に入れた。そして私は、彼らの異なるお金の見方から多くを学んだ。
- 私は一般的に父のように質素だが、母のように贈り物や美味しい食べ物を買うのが大好きだ。
私は母と一緒にいると「お母さんにそっくりね」と言われるが、父といるときは父親似だと言われる。母の特徴も、父の性質も受け継いでいるので、このコメントはその通りだと思う。お金について何から何まで両親から学んだが、父と母は仕事や貯金、お金の使い方についてはほぼ正反対だということもまた事実だ。
父は生涯ほぼ同じ仕事をしたが、母はさまざまな業種で数多くの職に就いた。父は若い頃に鉄道会社で働き始め、60代で定年を迎えるまでその会社で勤め上げた。
一方、母はレストラン、ラジオ局またはスキーリゾートで、管理スタッフとして、あるいは業務マネージャーとして働いた。小さなアートギャラリーを経営したこともあった。
仕事に対する両親の考え方が違うように、お金についても2人の考え方はほぼ正反対だった。
超がつくほど倹約家の父
父は倹約家だ。いろいろな投資をするのが好きと言う意味ではなく、超がつくほど倹約家なのだ。何から何まで割引価格やタダで手に入れるし、拾ったりもらったりするのが好きだ。
老人ホームに入る前は、よく自動車修理工場に行ってタダでポップコーンをもらったり、スーパーのパンコーナーでクッキーの試食をしたりしていた。
父の趣味の1つが、自転車で町中を走り、落とし物や捨てられたお宝を探すことだった。野球帽、プラスチック製のおもちゃ、故障車の修理に使って置き忘れられた工具をよく持ち帰ってきた。
ときには宝石やお金、当たりくじ(大当たりではないが)を見つけたこともある。父は修理できなくなるか、擦り切れて使えなくなるまで、何でも再利用したり、リサイクルしたりした。
楽しいことにお金を使う母
一方、母は最低でも10年ごとに家具を買い替えるし、みんなにプレゼントを買うのが好きだ。いつでも新しい洋服を着て、新しい趣味を始めては、そのための用具を買いそろえる。
スーパーでは金額を見て買うか買わないかを決めることはせず、値段を気にせず食べたい物を何でも買った。
お金についての自分の癖や、いまの懐具合を考えると、両親のどちらからも気質を受け継いでいると感じる。どちらかと言えば父寄りだが、私も人にプレゼントをあげるのは好きだし、スーパーでは食べたい物を買っている(ただし、ディスカウントストアでだが)。
極端に質素ではないが、倹約家だ。試供品や試食品を求めてスーパーに行くし、散歩中は思いがけないお宝が道に落ちていないか、下を向きながら歩く癖がある。使った後はできる限りすべてリサイクルしているし、家具はほとんど中古品だ。
両親の良いところを受け継いだから
仕事やお金に対する考え方がこれほど違う2人が、どうやって19年間も結婚生活を続けられたのかは分からないが、私に影響を与えてくれた両親には感謝している。
両親の良いところを受け継いだから、貯金や支出を正しくできるのだと思う。節約をしていても窮屈な生活をしているとは感じておらず、時には自分や愛する人へのご褒美に躊躇なくお金を使えるのだから。
(翻訳・中山桂、編集・長田真)