グーグル勤務の27歳「この障害からライフスキル学んだ」。自分の可能性に挑戦するきっかけをくれた気づき

パトリック・シリング

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ドイツ南部の都市トゥットリンゲンで育ったパトリック・シリング(Patrick Schilling)は、地元の図書館を利用することができなかった。

生まれつき手足が短いという障害を持つシリングは、幼い頃から電動車いすに頼る生活だった。実家から一番近い図書館は、階段を使わないと中に入れなかったため、読み物を探すときはもっぱらインターネットを使っていた。

シリングは最近、グーグルのプロダクト開発部門に異動したが、以前は在宅勤務でグーグルクラウドコンピューティング部門の戦略的ディール・メーカーとして働いていた。シリングにとってはここでの経験が、テクノロジーとイノベーションに情熱を注ぐようになった貴重なきっかけになったという。

「ここには2つのポイントがあります。ひとつは、もしあなたが電動車いすを使っていて、それが初めて故障したとしたら、何百万人もの人のために作られた技術なのだから実際に役に立つものにしたいという、内発的動機が生まれます。

もうひとつ。僕はかなり早い段階から技術の進歩の恩恵を受けてきました。地元の図書館は階段を使わなければ入れなかったけれど、インターネットが登場した途端、読みたいものはデジタルでほとんど読めるようになったんです」

世界保健機関(WHO)によると、日常生活を送るために何らかの補助器具を必要としている人は世界に10億人近くいるが、そのような技術を実際に利用できる人はごくわずかだ。

シリングは労働者階級の家庭に育ち、「この分野への知的接触」がほとんどなかったため、不便の多い世界を渡り歩くのには苦労も多かったという。

「身体的障害を持っていることの良い点も悪い点も醜い点も、幼いうちから経験しました。

両親には本当に感謝しています。両親はまさかこういう事態になるなんて予想もしていなかったけれど、僕が生まれたその日から『人生を大切にするかフイにするかは自分次第』という方針で育ててくれました。

だから僕は、一日一日を大切にしようと思っています」

障害から素晴らしいライフスキル学んだ

グーグルに入社して4年が経過した。シリングは、自分の成功は10代の頃に取り組み始めた内的な「発想の転換」によるところが大きいと考えている。

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