アマゾンのプライベートブランド、Amazonベーシックの乾電池。
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- 2009年以降、アマゾンは「Amazonベーシック」などのプライベートブランド事業を巨大化させてきた。
- ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アマゾンはプライベートブランド事業をまもなく終わらせる可能性があるという。
- 記事によると、アマゾンは規制の圧力と売上高の減少に直面している。
アマゾン(Amazon)は、Amazonベーシックのようなプライベートブランド事業を縮小し、商品数とカテゴリーを絞り込むと報じられている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の記事によると、アマゾンはプライベートブランド商品の取り扱いから完全に撤退することも検討しているという。
アマゾンはWSJの記事に対して反論している。
アマゾンの広報担当者はInsiderの取材に対し、「プライベートブランド事業の終了を検討したことはなく、多くの競合他社が何十年も行ってきたように、現在もこの分野への投資を続けている」と声明を発表した。
アマゾンの戦略的転換の報道は、ウォルマート(Walmart)やターゲット(Target)など他の大手小売企業のプライベートブランド事業が盛んになってきた時期にもたらされた。インフレが高騰する中、買い物客は節約するためにより安価な「自社ブランド」に集まっている。しかし、ここ数年急速な拡大を続けてきたアマゾンはプライベートブランドの一部が売上を減らしていることに気付いたと報じられている。また同社にとってプライベートブランドは、法律上でもやっかいな頭痛の種になっているという。
アマゾンはこれまで、同社の小売売上高に占めるプライベートブランドの割合はわずか1%だと強調してきた。だがWSJは、アマゾンが2009年の設立以来、24万3000のアイテムを誇るプライベートブランド事業を構築してきたと報じている。
アマゾンは、Amazonベーシック以外にも、ソリモ(Solimo)やグッドスレッズ(Goodthreads)など、数十ものプライベートブランドを保有している。ECサイト関連の調査会社MarketPlace Pulseのレポートによると、アマゾンのプライベートブランドの販売をめぐる問題はしばらく前から表面化していた可能性があるという。
MarketPlace Pulseは「アマゾンのプライベートブランドは、多くの人が考えているほど成功していない」こと、そして「同社のジェネリック商品を低価格で開発する」能力は、買い物客には顧みられていないことが多いと明らかにした。
加えて、アマゾンのプライベートブランドの成功は、これまでに議員たちから厳しい目を向けられてきた。同社は第三者の販売データを利用し、より安価な「コピー商品」を作り出し競争を妨害していると非難されてきた。WSJによると、アマゾンがプライベートブランド事業の縮小に新たに関心を示したのは、規制当局からの圧力が予想されることが大きな要因だという。
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)