Slackは有料プランのひとつ「プロプラン」の値上げを9月1日から実施する。
撮影:小林優多郎
Slackは7月18日、有料プランの価格改定とフリープランの仕様変更を発表した。
新価格・仕様は2022年9月1日から適用になる見込み。
今回の価格改定はサービス開始後初となるもので、その理由を「(新機能追加などでの)価値の向上を鑑み、今後もイノベーションへの投資を続ける」ためとしている。
プロプランが1ユーザーあたり月額90円アップ
2022年7月19日時点のSlackの料金プラン。変更になるのは1番左の「プロ」プランになる。
出典:Slack
Slackの有料プランには、中小規模事業者向けの「プロ」、プロより大きい企業向けの「ビジネスプラス」、そして大企業向けの「Enterprise Grid」の3種類がある。
従来の1ユーザーあたりの利用料金は、プロが月額960円/年額1万200円(月換算で850円)、ビジネスプラスが月額1800円/年額1万9200円(月換算で1600円)。
9月1日からの新料金では、プロが月額1050円/年額1万1100円(月換算で925円)となる(すべて税込)。
ビジネスプラスとEnterprise Gridについては、現時点で値上げなどの変更について、アナウンスはない。
なお、Slackによると現行のプロプランを月払いで契約中の企業は、9月1日より前に年払いにすることで、1年間は従来料金が適用されるとしている。
フリープランのデータ保存制限は一律「90日間」となる
Slackのフリープランは従来では最大1万件までのメッセージをさかのぼることが出来たが、9月1日以降は一律「90日間」となる(逆に1万件を超えても90日間以内であればさかのぼれる)。
撮影:小林優多郎
月額無料のフリープランに関しては、新機能の追加と機能のダウングレードが同時に実施されるなど、やや複雑だ。
フリープランに追加される機能は、有料プラン向けに提供されていた「音声/動画クリップ」機能だ。
これはSlackアプリ上で短い動画や音声を記録してアップロードするもので、チーム内での非同期コミュニケーションが可能になる。
一方で、データ保持期間が従来はメッセージ1万件/ストレージ容量5GBだったが、9月1日以降は最大90日間(ストレージ容量は無制限)に変更となる。
アップロードできるデータ量が増えるという意味では使い勝手が良くなるが、一方で投稿から90日を超えるメッセージは非表示になるため、履歴がさかのぼりづらくなる。
Slackとしては従来はフリープランで使えなかった新機能を一部解放し、ユーザーや企業に体験させ、より実用的に使うためにプロ以上のプランに誘導したい考えだ。
(文、撮影・小林優多郎)