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- アメリカではドラッグストア大手ウォルグリーン(Walgreen)の従業員が避妊薬や避妊具の販売を拒否したことで、同社に対するボイコットがSNSを中心に起きている。
- ウォルグリーンは従業員と、「チームメンバーの宗教的、道徳的信条を尊重する」という同社の方針を擁護した。
- TikTokではハッシュタグ「#BoycottWalgreens」が290万回視聴されるなど、ウォルグリーンに対するボイコットの動きが広がっている。
アメリカでは、ドラッグストア大手ウォルグリーンの従業員が避妊薬やコンドームといった避妊具の販売を拒否したと複数の客が報告していて、同社に対するボイコットの動きがSNSを中心に広がっている。
Star Tribuneによると、ウィスコンシン州ヘイワードでは、レジ担当の男性が自身の宗教的な理由からジェシカ・ペンツさんにコンドームを売るのを拒否したという。
その時の様子をツイートしたジェシカさんのパートナー、ネイサン・ペンツさんは、「ジョン」というレジ担当の従業員は自身の信条を理由にコンドームの販売を拒否し、他の客の前でジェシカさんに恥をかかせたと訴えている。2人はこの件をウォルグリーンに報告したという。
「当時、店にいた女性はわたしだけでした」とジェシカさんはStar Tribuneに語った。
「ものすごく心細かったです」
ウォルグリーンはレジ担当の行動を擁護し、そうした行動は同社の方針に沿っていると述べた。
「わたしたちの方針はチームメンバーの宗教的、道徳的信条を尊重しつつ、わたしたちが患者様やお客様のニーズに確実に応えられるよう設計されています」とウォルグリーンの広報担当者はNBC Newsに語った。
「こうした事例はまれですが、チームメンバーがある取引の完了について道徳的、宗教的信念を持っている場合、彼らはお客様にその取引に応じられる勤務中の別の従業員もしくはマネジャーを差し向けるよう義務付けられており、それが今回のケースで起きたことです」
ウォルグリーンの従業員に避妊具の販売を拒否されたのは、ペンツさんが初めてではない。
アビゲイル・マーティンさんもウォルグリーンで避妊薬の再処方を拒否された1人だ。マーティンさんがTikTokに投稿した動画によると、再処方を拒否した薬剤師は十字架のネックレスを2つしていたという。マーティンさんは避妊薬を6年前から使っていたと話している。
マーティンさんは、ウォルグリーンの担当者が避妊薬の販売を拒否されたのは彼女だけではないと認めたように聞こえたと語っている。
「『あなたが誰のことを言っているのか分かります。わたしたちはここ2週間、この問題を抱えています』と彼女は言ったんです」とマーティンさんは自身のTikTok動画の中で話した。
「彼らはこの問題を2週間抱えていたんです。女性が避妊薬を手に入れることができない問題を抱えていたんです」
ウォルグリーンのツイートによると、薬剤師たちも自らの道徳に反する処方薬の調合から身を引くことが許されているという。
ハッシュタグ「#boycottwalgreens」はツイッターやTikTokで大きな話題となっていて、TikTokでは290万回視聴されている。
進歩主義的なメディア『Occupy Democrats』がウォルグリーンのボイコットを呼びかけたツイートは、2万7300リツイートされている。
Insiderはウォルグリーンにコメントを求めたが、回答は得られなかった。
(翻訳、編集:山口佳美)