世界で最もパワフルな女性たちのネットワーク｢Chief｣…ニューヨークにあるクラブハウスを見てみよう

• Chief（チーフ）は年会費5800ドルからの女性エグゼクティブ向けの会員制クラブだ。
• アルファベット傘下のキャピタルGが率いた資金調達ラウンドで2022年3月、Chiefの評価額が11億ドルに達した。
• 会議室、バー、屋外ラウンジを備えたニューヨークにあるChiefのクラブハウスの中を見てみよう。

男性中心のビジネスの世界で、権力のある幹部クラスのポジションについている女性たちは、｢早い段階で孤独になる｣ と会員制クラブ、Chief（チーフ）の共同創業者兼CEOのキャロリン・チルダーズ（Carolyn Childers）はInsiderに語っている

それが2019年、チルダーズと共同創業者のリンジー・カプラン（Lindsay Kaplan）が女性経営者のための会員制クラブ｢Chief｣を正式に立ち上げた理由だ

Source: Insider

｢多くの人が、『女性のプロフェッショナル・ネットワーク』と聞いて思い浮かべるのは、名札、温かい白ワイン、パンツスーツなどだろう｣とチルダーズは言う。｢それでは我々が考える『メンバーに本当に必要なブランド』とは言えない｣

Chiefは｢世界で最もパワフルな女性たち｣のプライベートネットワークで、会員の女性たちはクラブを活用して、お互いの成長を図っているという

Source: Chief

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Chiefのメッセージは明快だ

Chiefのウェブサイトを開くと最初に目に飛び込んでくる｢女性はいつもパワフルである（Women have always been powerful）｣という大きなゴールドの文字で表現されたメッセージは、シンプルながらインパクトがある

Chiefの目標は、このような地位にある女性に力を与え、より多くの女性が名誉ある役職に就く道をひらくことによって｢リーダーシップのあり方を変える｣ことだとカプランは述べている

そしてこのミッションは、すでに多くの投資家を引きつけている。アルファベット（Alphabet）傘下のキャピタルG（CapitalG）が率いたシリーズBラウンドの後の2022年3月には、チーフの評価額は11億ドル（約1500億円）に達した

Source: Chief

Chiefは現在、1万5000人以上のバイスプレジデント、シニア・バイスプレジデント、およびCEOやCFO、CIOなどC-suiteと呼ばれる役職についているエグゼクティブ会員がいる

加えて、6万人以上の入会希望者がキャンセル待ちをしているという

Insiderはこの数字を確認できていない。

Chiefは2022年1月に全米に展開し、さらにキャンセル待ちの人の数を増やした

キャンセル待ちの人が正式な会員になるまでどのくらいかかるのかは分かっていない

｢適切なペースで成長を続け、すべての人にとって素晴らしい体験をしてもらうためには、キャンセル待ちの人をなくすスピードを上げなければならない｣とカプランは述べている

Chiefに入会するためには、役員の肩書きに加えて15年以上のキャリアが必要だ

Chiefによると、会員の60％以上が、｢フォーチュン（Fortune）100｣企業で働いているという

だが、Chiefのネットワークはテック業界や金融業界で働く女性だけのものではない

チーフのメンバーは、国境なき医師団（Doctors Without Borders）やハーバード大学（Harvard University）などを含めた8500を超える組織・団体に所属している

もちろん、グーグル（Google）、ゴールドマン・サックス（Goldman Sachs）、HBO、ウォルマート（Walmart）、ウーバー（Uber）などの企業で働く女性もいる

白人女性だけが呼ばれるステレオタイプの肩書き｢ガールボス｣とは違い、Chiefの会員の35%は白人ではない

Source: Insider

Chiefの仲間になるためには、ある程度の財力がなければならない

Chiefの年会費は、バイス・プレジデントクラスでは5800ドル（約79万円）から、C-suiteであれば7900ドル（約108万円）からとなっている

とは言え、会員の約70％は会社がスポンサーになっているとチルダーズは言う

そしてこの年会費は、｢Chiefの会員｣という肩書きだけを手に入れるものではない

会員はミートアップやワークショップに参加でき、10人程度のグループで、コーチをつけて毎月キュレーションを行い…

さらにアマル・クルーニー（Amal Clooney）、バーバラ・コーコラン（Barbara Corcoran）、ステイシー・エイブラムス（Stacey Abrams）などのような人物と｢対話｣する機会も得られるという

Chiefの会員は居住地や出張先によって、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴ、そして2022年秋にはサンフランシスコのクラブハウスを利用することも可能だ

しかしながら、クラブハウスの立地はChiefの最大の魅力ではない。｢我々はたまたまスペースがあるだけのコミュニティであって、スペースを利用してコミュニティを作ろうとしているのではない｣とチルダーズは話す。彼女によると、Chiefのメンバーのうち、このような地域の近隣に住むのは会員の25%から30%だという

会員はクラブハウスを利用するためだけに入会するわけではないが、物理的な場所には確かに利点がある

例えば、クラブハウスのハッピーアワー、コワーキングスペース、予約制の会議室などは仲間と交流する機会を提供してくれる

クラブハウスの中を見てみよう。ニューヨークにある他の会員制のプライベートクラブと同じように、室内の壁は、むき出しのレンガで飾られ、現代的な装飾と多くの観葉植物がコントラストを成している

メインフロアにはバーがあり、椅子やソファ、テーブルが置かれた広い部屋は、大きなコワーキングスペースとして使えるように設計されている

ここでは多くの会員がノートパソコンを広げ、打ち合わせをしたり雑談をしている

どのフロアも典型的な会議室やオフィスのような殺風景さはない

上階に位置する会議室は予約すれば使える。会議室は大胆な色で塗られた壁、組み合わせられたラグ、壁に掛けられたアートなど部屋ごとに個性が際立っている

授乳室もある

清潔な化粧室には、一目で高級品だとわかる物が並べられている

薄暗いが個室の電話ブースもある

バーはメインフロアだけでなく、もうひとつある

ニューヨークのフラットアイアン地区の景色が楽しめる屋外スペースも2つある

これまで紹介したスペースの間に、豪華な椅子や照明、テーブルの置かれたコーナーが多数用意されている

一部のChief従業員とビジネスカジュアルを着た数人の男性を除き、クラブハウスは当然のように女性が支配している

｢このクラブハウスを付加価値のあるサービスとして会員に提供できたのは素晴らしいことだった。ブランドに命を吹き込み、違うタイプのプロフェッショナル・ネットワークであることを理解してもらうのが重要だったからだ｣とチルダーズは話している

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［原文：An Alphabet-backed members-only club for women executives starts at $5,800 annually — see inside its private NYC location］

（翻訳：大場真由子、編集：Toshihiko Inoue）