Shopifyの創業者兼CEOのトビアス・リュトケ。
Lucas Jackson/Reuters; Shopify; IStock Photo; Vicky Leta/Insider
- eコマース支援プラットフォームのShopifyがレイオフを発表し、同社の株価は7月26日に17%下落した。
- パンデミックはeコマースの成長を促進し、同社はその成長がさらに続くと予想していた。
- 「最終的にこの賭けをしたのは私の判断であり、これは間違いだった」と、Shopifyのトビアス・リュトケCEOはブログで述べている。
カナダを拠点とし、eコマースサイトを立ち上げようとする企業に役立つツールを提供するShopify(ショッピファイ)の株価が、2022年7月26日に急落した。COVID-19のパンデミック時のようなオンラインショッピングのトレンドが続くという予測が外れ、従業員の10%をレイオフ(人員削減)することになったと発表したからだ。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、この決定は約1000人の従業員に影響を及ぼすという。
Shopifyの株価は前日比で17%急落し、30.55ドルという7月15日以来の安値となった。2022年に入ってから同社の株価は75%以上下落した。ハイテクに特化したナスダック総合株価指数は、同時期に約26%下落している。
Shopifyが10%の人員削減を行うことは、同社のブログで明らかになった。採用、サポート、販売などの職種が削減対象になる。
「パンデミック以前は、eコマースの成長は安定しており、予測可能なものだった。(パンデミック以降の)急成長は一時的なものなのか、それともニューノーマルなのか」と、同社のトビアス・リュトケ(Tobias Lutke)CEOは従業員に向けてブログに記している。
リュトケによると、「チャネル・ミックス」、つまり実店舗ではなくeコマース経由の売上高が「5年、10年先まで飛躍し続けるだろう」という予測に賭け、Shopifyは業務を拡大させたという。
「その賭けが実を結ばなかったことは、今となっては明らかだ」とリュトケは記し、Shopifyは今も着実に成長しているが、予測した「5年先の水準に見合うものではなかった」としている。
「最終的にこの賭けをしたのは私の判断であり、これは間違いだった」と彼は付け加えた。「結果として、今日で別れを告げなければならない人もおり、そのことについては大変申し訳なく思っている」
Shopifyは、COVID-19のパンデミックが宣言された2020年に急成長し、2021年には57%の売上高の伸び率を記録した。同社の株価は同年11月に176ドルを超える史上最高値を記録したが、それ以降は下降の一途をたどっている。
アメリカや世界各国の経済が、大規模なロックダウン後の回復期を経て、景気後退期に入ることを予想して、投資家が株式を売却しているという時期に、今回のShopifyのレイオフが行われた。COVID-19関連のさまざまな規制が解除されて以来、アメリカ人の消費は家庭用品の購入からサービスの購入へと大きくシフトしている。
ウォルマートは7月25日に2023年度の収益予測を下方修正すると発表した際、過熱するインフレによって消費者が一般消費財への支出を抑えて生活必需品に支出するようになっていると警告している。
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)