メタのマーク・ザッカーバーグCEO。
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- マーク・ザッカーバーグはメタの従業員に、アップルをメタバースの競合と考えていると話したことがThe Vergeで報じられた。
- ザッカーバーグは、メタとアップルはメタバースに関して「哲学的な」違いがあると話した。
- メタはよりオープンなメタバース技術を構築するという。
The Vergeが入手したメタ(Meta)の社内会議の録音データによると、マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)は、メタバースへの進出を目指すメタにとって、アップル(Apple)が大きなライバルと見ているようだ。
ザッカーバーグは従業員に、メタとアップルはメタバースに関して「とても深い、哲学的な競争」をしていると述べた。
「メタバース」は、SFから生まれた言葉で、画面ではなくVRやARなどの没入型技術を通じてアクセスするインターネット上の仮想空間のことだ。
ザッカーバーグはメタバースに大きく賭けており、2021年10月には、メタバースへの野望に向けて、旧Facebook(フェイスブック)として知られる同社の再構築とブランド名の変更を行った。
ザッカーバーグはメタとアップルの違いとして、アップルは自社のメタバース技術のためのクローズドなエコシステムを作ろうとしているが、メタのものはもっとオープンになると思うと述べた。
The Vergeが公開した会議内容を一部編集したものによると「我々はオープンな方法でアプローチし、オープンなエコシステムを構築しようとしている」とザッカーバーグは語った。
彼は、メタはアンドロイド携帯向けのメタバース技術の構築を行っていると付け加えた。
さらに、The Vergeが公開した内容によると、メタはアップルに価格で勝ると示唆している。
「我々はデバイスを、基本的に原価か、あるいは若干の補助金を支払うか、場合によっては原価より若干高い金額で販売する。肝心なのは、我々のビジネスはデバイスにプレミアムをつけることではないということだ。できるだけ多くの人にそこで交流してほしいのだ。その一部に、相互運用可能でオープンなエコシステムを構築することがある」
同社のメタバース技術への投資は手元資金の大きな流出につながっており、ザッカーバーグは5月に、メタバースの開発によって今後3年から5年間、同社は資金を失い続けるだろうと株主に話した。
メタバースは、メタとアップルの唯一の戦いの場ではなく、両社はユーザーのプライバシーの問題などでも公の場で対立している。
メタとアップルにコメントを求めたが、回答は得られていない。
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)